戸塚宿

戸塚宿の概要

戸塚宿（とつかしゅく）は、東海道五十三次の5番目にあたる宿場町で、相模国の最東端に位置しています。現在の神奈川県横浜市戸塚区にあたるこの地域は、東海道を利用する旅人にとっての重要な宿泊地として知られています。

歴史的背景

戸塚宿は、もともと保土ヶ谷宿の次に藤沢宿が続く予定でしたが、宿屋の数が増加し、藤沢宿からの客を奪う可能性が高まったため、藤沢宿の強い反対を受けながらも幕府から正式に認められました。旅籠の数は五十三次の中でも小田原宿に次ぐほど多く、賑わいを見せました。この場所には、吉田町、戸塚町、矢部町の三つの町があり、見附と呼ばれる場所が二つ存在しています。これらは現在の吉田町イオン前と戸塚町大坂下（バス停前）にあたります。また、品濃町や原宿町には一里塚がいくつか残されています。

戸塚宿は大山道、鎌倉街道、厚木街道などの幹線道路と交わる要衝であり、幕末の黒船来航の際には、住民たちが避難してくる様子も記録されています。

本陣と宿屋

戸塚宿には二軒の本陣があり、澤辺本陣と内田本陣が存在しました。澤邉本陣の跡地には羽黒神社が現在も残っており、当時の名残を今に伝えています。一方、内田本陣の跡地は現在の戸塚郵便局として利用されています。

見どころと文化

戸塚宿に由来する川柳「佐野の馬 戸塚の坂で 二度転び」は、鎌倉を目指していた老馬が戸塚で転んでしまうという内容で、地域の特性を象徴しています。「戸塚の坂」とは、戸塚宿の上方に位置する大坂や、保土ヶ谷宿方面との間にある権太坂や品濃坂を指す言葉です。また、元遊廓の名残を感じさせる料亭「丁字屋」は、近年まで営業していました。

交通アクセス

戸塚宿へのアクセスは非常に便利で、JR東海道本線、横須賀線、湘南新宿ライン、そして横浜市営地下鉄ブルーラインの戸塚駅が最寄りです。

隣接する宿場としては、保土ヶ谷宿と藤沢宿があり、途中には原宿と鉄砲宿という小宿場も存在しています。

まとめ

戸塚宿は、その歴史的な背景、渡航の便、地域の文化や交通事情から見ても、日本の宿場町の中でも特に重要な位置を占めていることがわかります。この地域を訪れることは単に旅の一部としてだけでなく、歴史や文化にも触れる貴重な体験となるでしょう。

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