戸田皓久

戸田皓久：渋い演技で魅せた名脇役

戸田皓久（とだ あきひさ）は、1933年2月26日生まれ、1981年9月1日没の日本の俳優、声優です。神奈川県鎌倉市出身で、東京演劇アンサンブルに所属していました。

俳優としてのキャリア

1951年、日本大学第三高等学校卒業後、俳優座養成所に入所。小山田宗徳、穂積隆信、楠侑子らと同期でした。1954年、養成所卒業と同時に同期生らと劇団三期会を結成し、本格的に演劇活動をスタートさせます。

劇団での活動と並行して、吹き替えにも多数出演。初期には『スーパーマン』などの作品で声優としての才能も開花させました。その後はテレビドラマにも出演するようになり、活動の幅を広げていきます。

1967年には、劇団三期会を東京演劇アンサンブルと改称。舞台公演を続けながら、声優、俳優としての活動を精力的に行いました。

戸田は、端役や悪役といった脇役を多く演じ、その存在感と独特の演技で多くの作品に深みを与えました。渋みのある演技は、多くの視聴者に強い印象を与えたことでしょう。

映画・テレビドラマ出演作品

戸田皓久は、数多くの映画やテレビドラマに出演しています。映画では『健児の塔』（1953年）、『眠狂四郎勝負』（1964年）、『悪名無敵』（1965年）など時代劇作品への出演が目立ちます。一方、テレビドラマではNHKの連続テレビ小説や大河ドラマにも出演するなど幅広く活躍しました。『ああ江田島』（1958年）、『雨と川の音』（1963年）、『花の生涯』（1963年）、『源義経』（1966年）、『竜馬がゆく』（1968年）、『樅ノ木は残った』（1970年）、『勝海舟』（1974年）など、様々な作品で印象的な演技を見せています。

さらに『七人の刑事』『東京警備指令 ザ・ガードマン』『三匹の侍』『銭形平次』『鬼平犯科帳』などの人気シリーズにも出演し、作品に深みと重厚感を与えていました。

声優としての活動

声優としての活動も盛んで、『鉄腕アトム』（1963年）、『リボンの騎士』（1967年）などのアニメ作品や、『スーパーマン』、『アウター・リミッツ』、『アリゾナ警備隊26人の男』といった海外ドラマの吹き替えで活躍しました。また、『怪獣王子』（1967年）、『ジャンボーグA』（1973年）といった特撮作品にも参加しています。

舞台活動

劇団三期会、そして東京演劇アンサンブルでは、『海鳴りの底から』（1963年）、『母』（1964年）、『男は男だ』（1964年）などの舞台作品に出演しました。

晩年とその後

1981年9月1日、48歳という若さで亡くなりました。

戸田皓久は、映画、テレビドラマ、吹き替え、舞台と、様々な分野で活躍した名優でした。個性豊かな演技で数多くの作品を彩り、多くの視聴者に深い印象を残しました。その功績は、今もなお人々の記憶の中に生き続けています。

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