房総なのはな号

房総なのはな号、新宿なのはな号、新宿君津号：東京と南房総を結ぶ高速バス路線のすべて

この文書では、東京都と千葉県館山市・南房総市を結ぶ高速バス路線である「房総なのはな号」、および都内西部からのアクセスを強化した「新宿なのはな号」、そして2021年に「新宿なのはな号」に統合された「新宿君津号」について、詳細な情報を網羅的に解説します。

1. 房総なのはな号：東京駅から南房総へのアクセスを支える

「房総なのはな号」は、東京駅と館山駅、安房白浜を結ぶ昼行高速バスです。首都高速道路、東京湾アクアライン、館山自動車道、富津館山道路を経由するルートは、景観も魅力の一つです。JRバス関東館山支店の独立採算性を高める目的で1997年から試験運行を経て、2000年6月3日に正式運行を開始しました。2001年には日東交通も運行に加わり、現在に至ります。

当初は試験運行として会員制バス「サーフロード号」として運行していましたが、割安な運賃と東京駅からのアクセス性の良さから人気を博し、休日は満席となる盛況ぶりでした。JR内房線特急「さざなみ」の君津～館山間の運行廃止（2015年3月）も、利用増加に影響を与えた可能性があります。

運行ルートは、途中休憩や経由地について、時期や便によって変更があります。一部の便は上総湊駅前や国道竹岡バス停を経由せず、また、館山駅以遠は一般路線バスに乗り継いで白浜地区のホテル街や休暇村館山、伊戸漁港などにもアクセスできます。一般路線区間は相互乗降が可能で、定期券・回数券も利用できます。

運賃体系は、事前購入と車内購入で異なり、事前購入が割安です。JRバス窓口、沿線の販売所、高速バスネットなどで購入でき、早期購入割引もあります。電話予約はJRバス関東のみで受け付けています。通勤・通学定期券も販売されています。

歴史を振り返ると、運行開始当初は鋸南富山ICから国道127号を経由していましたが、富津館山道路の全線開通に伴い、富浦ICに変更されました。また、館山駅から安房白浜までをショートカットする特急便も過去には存在していましたが、現在は廃止されています。

2. 新宿なのはな号：都心西部からのアクセスを強化

「房総なのはな号」の好評を受け、南房総市で開催されるイベントへのアクセス向上を目的として、2014年10月1日、「新宿なのはな号」が運行を開始しました。新宿駅と館山駅を結ぶこの路線は、JRバスにとって木更津市、日東交通にとって新宿駅への初乗り入れとなりました。

運行開始当初は全席自由席制でしたが、2015年3月14日のダイヤ改正で全席指定制に移行しました。当日に空席があれば車内精算も可能です。首都高速中央環状線経由への変更も当初予定されていましたが、認可手続きの関係で、改正後しばらくは都心環状線経由での運行が継続されました。

2015年3月14日からは、「房総なのはな号」と運賃を共通化し、通勤・通学定期券のサービスも開始しました。2020年4月から運行休止していた「新宿君津号」は2021年7月22日に「新宿なのはな号」に統合され、君津バスターミナルへの乗り入れを開始しました。

3. 新宿君津号：統合された君津へのアクセス

「新宿君津号」は、新宿駅と君津駅を結ぶ路線でしたが、新型コロナウイルスの影響で2020年4月から長期運休となり、2021年7月22日に「新宿なのはな号」に統合されました。これにより、君津駅南口から杢師四丁目の停留所は乗降が取り扱わなくなりました。

4. 運行会社と運行系統

「房総なのはな号」と「新宿なのはな号」は、JRバス関東（館山支店・東京支店）と日東交通が共同運行しています。「新宿君津号」は日東交通木更津営業所が担当していました。停車停留所は路線によって異なり、一部便のみ停車する停留所もあります。東京駅からの「房総なのはな号」は、八重洲南口から乗車し、日本橋口から降車します。新宿駅からの路線は、バスタ新宿を発着します。

5. 運行回数と歴史

「房総なのはな号」は1日18往復、「新宿なのはな号」は1日14往復の運行です。それぞれの路線の歴史は長く、1999年の会員制バス運行開始から、現在に至るまで、増便やルート変更、停留所の開設・廃止などが繰り返されてきました。近年は、新型コロナウイルスの影響による減便や運休、ダイヤ改正などもありました。

6. 使用車両と過去の車両

主にトイレ付き40～44人乗りハイデッカー車が使用されています。JRバス関東の車両は2013年導入以降、全席にコンセントが装備されています。

7. その他の制度

過去には乗継割引制度がありましたが、現在は終了しています。JRバス関東の窓口では大人の休日倶楽部カード提示による割引サービスもあります。また、東海汽船との企画乗車券の販売実績や、災害時のボランティア活動支援、マラソン大会などのイベントにおける臨時便運行など、地域社会への貢献も積極的に行われています。

8. 関連路線

南房総地域へのアクセスを支える他の路線として、「南総里見号」などがあります。

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