打越橋

打越橋は、神奈川県横浜市中区に位置する美しいアーチ橋です。具体的には、打越26番地から山手223番地にかけて架かっています。この橋は、1923年9月1日に発生した関東大震災からの復興事業の一環として、横浜市内に建設された178の橋梁の一つとして誕生しました。橋の南側は、南区唐沢に隣接しています。

震災後、かつて牛島山と呼ばれていた丘には多くの避難民が住み着くようになりました。丘の上への交通手段を確保するため、幹線道路である横浜駅根岸道路と横浜市電を通すための切通し工事が行われました。この切通しによって、丘の上の生活道路が分断されたため、その上を跨ぐ形で架けられたのが打越橋です。建設当時の総工費は87362円84銭でした。

竣工当初、打越橋は淡いピンク色に塗装されていましたが、後に鮮やかな朱色に塗り替えられました。また、切通しの開削で生じた土砂は、山下公園の造成に利用されました。かつて橋の下を走っていた横浜市電は1971年に廃線となり、現在は横浜駅と根岸台を結ぶ横浜市営バス103系統が運行されています。橋の近くの丘の麓には、「打越の霊泉」と呼ばれる湧水も存在します。

その歴史的価値から、1990年度には「かながわの橋100選」に選ばれ、2003年度には横浜市認定歴史的建造物となりました。さらに、2015年度には山手隧道、桜道橋、西之橋、谷戸橋とともに、「元町・山手地区の震災復興施設群」として土木学会選奨土木遺産にも認定されています。

打越橋は夜景の名所としても知られています。橋の北側からは、横浜ランドマークタワーをはじめとするみなとみらい地区の高層ビル群を一望でき、その美しい夜景は訪れる人々を魅了します。

橋の周辺には、横浜女学院中学校・高等学校、横浜共立学園中学校・高等学校、横浜訓盲学院、横浜市立石川小学校、横浜市立平楽中学校、横浜三育幼稚園などの学校施設があります。また、打越の湧水も近くに位置しています。

交通アクセスとしては、JR東日本根岸線の石川町駅、横浜市営地下鉄ブルーラインの伊勢佐木長者町駅が利用可能です。橋の上を通る神奈川中央交通11系統、橋の下を通る横浜市営バス103系統が運行されています。かつては横浜市電の長者町線が橋の真下を通っており、現在の山元町バス停の位置に同名の電停が存在していました。

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