扶桑 (戦艦)

戦艦扶桑（ふそう）

扶桑（ふそう）は、大日本帝国海軍に所属する戦艦で、扶桑型戦艦の1番艦です。日本独自の設計により、初めて建造された超弩級戦艦としての地位を持ちます。その名は古い日本の異名のひとつに由来し、これは同名を持つ艦の二代目にあたります（初代扶桑は1878年竣工の装甲フリゲートです）。特に艦内には男山八幡宮（石清水八幡宮）と伊勢神宮が設けられています。

艦歴

扶桑は1912年3月11日に呉海軍工廠で起工され、1914年3月28日に「扶桑」と命名され、進水しました。そして1915年11月8日に竣工を迎えました。3万トン級の大型艦の建造は、当時世界初の試みとされました。進水式では、豪華さは控えめですが、圧縮空気によって紙吹雪が飛ばされるなど、独自の演出が行われました。

竣工後の扶桑は、1923年の関東大震災の際に、海軍兵学校の学生たちを乗せて救援活動に赴きました。また、1924年には高松宮宣仁親王の信任のもと、海軍兵学校の卒業式に参加する予定でしたが、艦内で腸チフスの患者が発生し、参加は中止となりました。

第一次近代化改装

扶桑は、1930年から1933年にかけて第一次近代化改装を行い、主砲の強化や艦橋の新設など、攻防両面での能力を向上させました。新設された艦橋は水面から約50メートルの高さに達し、同型艦の「山城」と共に日本戦艦の中でも一際目立つ存在となりました。改装後の主砲発射による爆風対策を講じつつ、機関部も改良され、速力を向上させる努力が行われました。

第二次近代化改装

その後1934年にも第二次近代化改装が実施され、艦尾の延長や対空火器の強化などが進められました。この際、艦の外見には大きな煙突が特徴となり、新たに電子機器が搭載され、戦闘能力の向上が図られました。

太平洋戦争

太平洋戦争の初期、扶桑は真珠湾攻撃に向かう艦隊の後詰めとして出撃しましたが、まもなく日本の柱島に戻ることになりました。その後、扶桑は戦闘任務は少なく、柱島艦隊として実弾射撃訓練に従事し、海軍兵学校の練習艦としても活用されました。

1944年には、扶桑はスリガオ海峡夜戦に参加することとなります。この戦闘では、扶桑がアメリカ艦隊からの攻撃を受け、魚雷が艦の右舷に命中します。その後、艦内での誘爆により大きな損害を受け、結果として沈没するに至ります。最期の時、扶桑の艦長を含む多くの乗員が命を落としました。

最後に、扶桑は1945年8月31日付けで除籍されました。その後、艦の沈没位置は日本側の記録では北緯10度24分、東経125度21分になるとされていますが、アメリカ側の記録とは多少の違いがあります。現在、扶桑の艦橋は約45メートル離れた場所で沈んでいる状態が確認されており、過去の栄光と悲劇の交錯を物語っています。

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