抄

抄（しょう）

尺貫法における体積の単位としての「抄」

抄（しょう）は、尺貫法における体積の単位の一つです。具体的には、勺（しゃく）の10分の1と定義されています。1抄は、メートル法に換算すると約1.8039ミリリットル（ml）となります。非常に小さな体積を表す単位であることがわかります。

この単位は、中国の古典である『孫子算経』や、日本の数学書『塵劫記』などの文献にも見られ、古くから使われてきた単位であることがわかります。しかし、日本では「升（しょう）」と同音であるため、混同を避けるために「才（さい）」という言葉が使われることもありました。ただし、「才」は本来、体積の単位である立法尺を表すため、薬種業など、比較的小さな量を扱う業態でのみ「抄」の代わりに用いられていました。

抄よりもさらに小さい単位としては、「撮（さつ）」「圭（けい）」「粟（ぞく）」などがあります。これらの単位は、ごく微量なものを測る際に用いられていました。

文章の一部を書き出す意味としての「抄」

「抄」という言葉には、長い文章や書物の一部を抜き出して書き出すという意味もあります。例えば、会議の議事録を作成する際に、重要な部分だけを「抄録」としてまとめることがあります。

古典の語句に注釈を加える意味としての「抄」

また、「抄」は古典などの難解な語句を抜き出し、それに注釈を加えるという意味でも使われます。この場合、原文の内容を理解しやすくするために、現代語訳や解説が加えられることが一般的です。

このように、「抄」という言葉は、体積の単位としてだけでなく、文章や語句の扱いに深く関わる言葉として、多岐にわたる意味を持っています。

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