固技

固技（かためわざ）とは

固技とは、格闘技や武道において相手の動きを制限し、自由を奪う技術の総称です。特に寝技の局面で多く用いられますが、立ち姿勢や膝をついた状態でも繰り出されるため、固技の全てが寝技に限定されるわけではありません。

固技の概説

現代の固技は、戦場での格闘術とは異なり、相手を傷つけずに制圧する、あるいは、より効果的な攻撃への繋ぎとしての意味合いが強くなっています。戦場では、相手を一定時間固定するだけでは、多勢に無勢の中で自らを危険に晒すことになりかねません。そのため、現代の固技は、相手を制圧しつつ、絞め技や関節技で仕留めるための技術体系として発展してきました。

試合や稽古においては、固技から逃れることが困難な場合、タップ（相手の身体や床を叩く行為）によって降参の意思表示を行います。これは、固技が非常に危険な技術であり、熟練者が使用すれば相手を傷つけずに制圧できる反面、使い方を誤れば重大な怪我に繋がる可能性があるためです。

そのため、固技は逮捕術などにも応用されていますが、単独で使用できるものではなく、防御技術や打撃技、投げ技との連携が不可欠です。警察官が固技に頼りすぎるあまり、刃物による負傷や死亡事故に繋がるケースも存在します。

プロレスにおいては、固め技は関節技、絞め技、抑え込み技の総称として扱われ、タップアウトやピンフォールによる勝利を狙う手段として重要な要素となっています。

柔道における固技

柔道における固技（かためわざ）は、大きく分けて抑込技、絞技、関節技の3種類があります。

抑込技

抑込技は、相手を仰向けに押さえつけ、一定時間その状態を維持する技です。代表的な抑込技には、肩固、袈裟固、上四方固などがあります。

絞技

絞技は、相手の頸部（頚動脈や気管）を絞め、意識を失わせるか、参ったを奪う技です。逆十字絞、裸絞、送襟絞など、様々な種類が存在します。ただし、絞技は非常に危険な技術であり、特に少年部では使用が制限される場合があります。

関節技

関節技は、関節を可動域以上に曲げたり伸ばしたりすることで、激しい痛みを与え、参ったを奪う技です。柔道では、原則として肘関節への関節技のみが認められていますが、形（かた）においては、他の関節への技も存在します。腕挫十字固、腕緘などが代表的な関節技です。中学生以下では禁止されています。

プロレスにおける固め技

プロレスにおける固め技は、関節技、絞め技などの「極技」と、相手を抑え込んでピンフォールを奪う「抑え込み技」の総称です。投げ技は通常、固め技には含まれませんが、一部例外もあります。

極技は、相手にダメージを与え、タップアウトを狙う技術であり、抑え込み技は、相手の両肩をマットに押さえつけ、ピンフォールによる勝利を目指す技術です。

両者が寝ている状態での固め技は、寝技（グラウンド技）と呼ばれます。

まとめ

固技は、格闘技・武道において重要な技術であり、相手を制圧し、より有利な状況を作り出すための有効な手段です。しかし、その危険性から、使用には十分な注意が必要です。柔道やプロレスなど、様々な格闘技において、固技は独自の進化を遂げており、それぞれの競技の特性に合わせた技術体系が構築されています。

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