押山雄一

押山 雄一（おしやま ゆういち）

1964年2月2日生まれ、神奈川県出身の日本の漫画家です。血液型はA型。代表作として、青春群像を描いた『あばれ花組』や、スポーツをテーマにした『TWO-TOP』などが広く知られています。

押山雄一氏の漫画家としてのキャリアは、1985年に「おしやまゆういち」名義で発表した「私立東湘高校サッカー部」が、集英社の新人漫画賞である手塚賞で佳作を受賞したことから本格的にスタートしました。この受賞を機に頭角を現し、1987年には『月刊少年ジャンプ』にて『あばれ花組』の連載を開始し、プロの漫画家としてデビューを果たしました。

初期の活動は主に集英社のジャンプ系雑誌を中心に行っており、『月刊少年ジャンプ』やその増刊号、『ジャンプオリジナル』などに多くの作品を発表しました。この時期には、デビュー作の『あばれ花組』（原作：森伸一郎）のほか、『オーバーラップ』、『湘南蚊龍伝』（原作：武甲圭吾）など、様々なジャンルの作品を手がけています。

キャリアを重ねるにつれて、活動の場は少年誌から青年誌、さらには専門誌へと広がり、ぶんか社、竹書房、ホーム社、辰巳出版、日本文芸社、ダイヤモンド出版など、多様な出版媒体で精力的に作品を発表するようになります。特に、スポーツ分野に力を入れており、野球漫画では『野人岡野雅行物語』、『TWO-TOP』といった連載作品に加え、日本文芸社の『がっつり！プロ野球』シリーズや関連の企画単行本で、実在のプロ野球選手や名勝負をテーマにした作品を数多く執筆しています。これらの多くは、眞島浩一氏などを原作や原案に迎えたものです。

また、パチスロを題材にした漫画も多数手がけており、『パチスロ7Jr.』（辰巳出版）などで『SLOCC』、『SLOCA』、『バイプッシュ』などを発表しています。麻雀漫画においても、『近代麻雀オリジナル』（竹書房）に『プリティトラップ』や『鬼雀』といった作品を掲載するなど、特定の趣味分野に特化した媒体でもその手腕を発揮しています。

スポーツ分野以外にも、歴史やノンフィクション、生活術といった幅広いジャンルに取り組んでいます。ホーム社からは、『宗義智『対馬藩・決死の国書すり替え—朝鮮通信使秘話』』や『三国志異聞RYUBI』、『コミック日常生活サバイバル術』（原作：横溝邦彦）、『直江兼続と７人の戦国武将』（原作：良歩五郎）などが出版されています。その他、ミステリー、格闘、弁護士をテーマにした作品や、医療求人サイト掲載の『救え命 届け心』（原作：青木健生・衣鳩久哉）や『研修医日記』（原作：青木健生）といったウェブ媒体向けの作品、携帯コミック『悶々シンデレラ』、中国の漫画アプリ向けの『龍拳演義』シリーズなど、発表媒体や形式も多岐にわたります。

漫画家としては、野部利雄氏に師事しました。また、柴山薫氏、浅田弘幸氏、坂口いく氏、橋本孤蔵氏、堀井覚司氏、矢口岳氏、大小大人氏といった漫画家たちとも関わりがあるようです。長年にわたり、その多彩な画力と表現力をもって、バラエティ豊かな作品を生み出し続けています。

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