携帯コミック

携帯コミックとは

携帯コミックとは、ネットワークを通じて配信され、携帯電話端末で閲覧することができる漫画コンテンツのデジタル版です。従来の紙媒体の漫画とは異なり、携帯電話の小さな画面で快適に読めるように様々な工夫が凝らされています。

携帯コミックの登場と発展

携帯コミックは、2003年11月にKDDI（au）が「CDMA 1X WIN」サービスを開始したのに合わせて、凸版印刷の子会社であるビットウェイが携帯電話へのコミック配信を始めたことがきっかけで誕生しました。その後、各社の第3世代携帯電話で利用できるようになり、普及が進みました。データ容量が大きいため、パケット定額サービスの利用がほぼ必須となっています。

ビューワーアプリの変遷

閲覧に使用する携帯アプリ（ビューワーアプリ）は、当初、ベクトル方式の「ComicSurfing」（セルシス）とラスター方式の「ビットウェイビューワー」（ビットウェイ）の2種類がありました。その後、ラスター方式の機能を実装した「BookSurfing」（ComicSurfingとボイジャーの「T-Time」を統合）が主流となっています。BookSurfingの場合、KDDI（au）ではダウンロード方式（ファイルのダウンロード完了後に閲覧）が採用されています。一方、NTTドコモ・ソフトバンクモバイルでは、ダウンロード方式とストリーミング方式（閲覧ごとにページファイルをダウンロード）を選択できるようになっています。

携帯コミックならではの工夫

携帯電話の小さい画面で漫画を読む際、読みやすさを確保するために様々な工夫が凝らされています。例えば、「BookSurfing」では、漫画はコマごとに読むように変換され、画面に収まらない大きなコマは、セリフの流れに合わせて順番にスクロール表示されるようになっています。また、可読性を損なうような大きな描き文字は後から画面に表示されるなどの工夫も施されています。ちなみに、携帯電話の上下ボタンでページ（コマ）送りを操作する方式を定めたのは、ビットウェイの淡野正氏です。

PDA端末向けのコミック配信

PDA端末向けのコミック配信は、シャープが開発したXMDFファイル形式による「ブンコビューア」を用い、ザウルスを対象に「Sharp space Town」（1999年5月サービス開始）や「Infogate」（NTTドコモ、2001年3月サービス開始）で行われていました。

PC・スマホ・タブレット端末向けのデジタルコミック

PCやスマートフォン、タブレット端末向けのデジタルコミックでは、2010年以前に電子書籍化されたタイトルは、主に.Bookや.ebj（イーブックイニシアティブジャパンのプラットフォーム）が中心でしたが、2010年以降はEPUB形式が増加しています。

配布フォーマット

携帯コミックやデジタルコミックの配布フォーマットには、以下のようなものがあります。

BookSurfing
コミックサーフィン
ドットブック
ブンコビューア
XMDF
CompactXMDF

関連情報

携帯コミックは、電子書籍やデジタルコミックと密接な関係があります。これらの関連技術やサービスについてさらに詳しく知りたい場合は、以下の項目も参照してください。

電子書籍
デジタルコミック

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