拓跋他

拓跋他（たくばつ た）

拓跋他（416年 - 488年）は、北魏の皇族であり、淮南王の地位にありました。

生涯

陽平王拓跋煕の長男として生まれ、父の跡を継いで陽平王となりました。身長八尺という堂々たる体躯で、容姿も美しく、性格は謹直で温厚でありながら、武芸にも秀でていました。太武帝に仕え、山胡の白龍を西河で討伐する功績を挙げました。

その後、臨淮王に改封され、鎮東将軍に任じられます。さらに淮南王に改封され、使持節・都督豫洛河南諸軍事・鎮南大将軍・開府儀同三司として虎牢に駐屯しました。

447年には、武昌王拓跋提とともに并州の軍を率いて吐京の胡族を討伐し、山胡の曹僕渾を討ちました。使持節・前鋒大将軍・都督として柔然を討ち破り、軍糧を比干城に運び込みました。また、南朝宋の軍を懸瓠で破るなど、軍事的な才能を遺憾なく発揮しました。

使持節・都督雍秦二州諸軍事・鎮西大将軍・開府儀同三司・雍州刺史として長安に駐屯した後、南朝宋の侵入に際しては、再び虎牢鎮都大将として防衛にあたりました。465年には、使持節・都督涼州諸軍事・鎮西大将軍に転じました。

孝文帝が即位すると、入朝して中都大官となり、侍中・征西大将軍の位を受けました。485年には司徒に転じ、その地位にありました。488年9月に73歳で亡くなりました。死後、平東大将軍・定州牧の位が追贈され、靖王と諡されました。

家族

拓跋他には三人の息子がいました。

拓跋吐万（早世、贈冠軍・并州刺史・晋陽順侯）
元鍾葵
元篤

伝記資料

『魏書』巻16 列伝第4
* 『北史』巻16 列伝第4

拓跋他は、北魏の皇族として、軍事面で大きな貢献を果たしました。その容姿と人柄、そして数々の功績は、後世にまで語り継がれています。

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