拝廊

拝廊とは、教会堂の入り口、またはロビーにあたる部分を指します。身廊の端、祭壇とは反対側に位置し、伝統的には教会堂の建物の一部でありながら、教会固有の部分とは見なされていませんでした。その構造は、仕切りや手すりで身廊と区切られた屋内空間の場合と、ポーチのような外部構造の場合とがあります。

拝廊は、通常の信徒団に未加入の人々、特に洗礼志願者や告解者も礼拝を聞いたり、参加したりすることが許される場所でした。この空間には聖水盤が置かれることが多く、子どもや大人が身廊に入る前に洗礼を受けることができました。また、信者が礼拝に集まった際には、自分の洗礼を記憶する場ともなりました。

しかし、その後の宗教改革により、信徒団に正式加入していない人々を礼拝から除外する必要がなくなると、拝廊は典礼に不可欠なものではなくなりました。それでも教会建築は、身廊の入り口前に部屋を設ける形式を維持し続けました。この部屋は、建築学的に身廊の一部である場合は内玄関、異なった外部構造の場合は張り出し玄関と呼ばれることもあります。誰もが身廊に入れるようになった現代でも、この部屋は教会への入り口として機能しているため、現在もこの区域を拝廊と呼ぶことがあります。

伝統的なビザンチン建築においては、拝廊は2つの異なる構造に分けられます。内部拝廊（esonarthex）は、外のポーチと教会の主部の間に位置し、身廊や側廊とは壁、アーチ、柱廊、または仕切りで区切られています。一方、外部拝廊（exonarthex）は、教会の主要なファサードの外にあり、通常は柱やアーケードで囲まれたアトリウムや方形の中庭となっています。外部拝廊は西端に開口している場合もあれば、外に通じるドアで閉じられている場合もあります（例：カーリエ博物館）。正教会の祝祭日には、拝廊を持つ聖堂ではリティヤと呼ばれる奉神礼が行われる場となります。

教会平面図に関する注釈として、慣例的に図は北を上、東端を右にして表されます。そのため、拝廊が平面図の西端に位置すると説明されることがありますが、これは便宜上の表現であり、実際の方位と混同しないよう注意が必要です。

関連する項目として、西ヨーロッパの大聖堂建築も参照ください。

もう一度検索