持明院基規

持明院基規（じみょういん もとのり）は、戦国時代に活躍した公卿であり、持明院家第15代の当主を務めました。父は参議であった持明院基春です。基規は、その生涯において様々な官位を歴任し、最終的には正三位・権中納言にまで昇りつめました。

基規の足跡を辿ると、明応4年（1495年）に従五位下に叙せられたのが始まりです。その後、大蔵卿、参議、右衛門督といった要職を歴任し、着実に昇進を重ねて権中納言となりました。公卿としての活動の傍ら、美濃国や周防国へしばしば下向していたことが記録に残っています。

かつて、基規は天文20年（1551年）に周防国に滞在中、陶隆房が主君・大内義隆を討った大寧寺の変に巻き込まれて殺害されたという説が有力でした。しかし、近年の研究によって、この説は覆されつつあります。萩原大輔氏の研究によれば、『言継卿記』などの史料を詳細に分析した結果、大寧寺の変で討たれたのは、大内義隆の装束の師であった従四位下・冷泉範遠、あるいは冷泉隆豊の一族であった可能性が高いことが示唆されています。

したがって、基規が大寧寺の変で死亡したという従来の説は、史実とは異なる可能性が高いと考えられます。しかし、基規がどのような状況で生涯を終えたのか、その詳細は依然として不明です。今後の研究によって、新たな事実が明らかになることが期待されます。

【系譜】
父：持明院基春
母：不詳
妻：不詳
男子：持明院基孝

【参考文献】
* 阿部猛、西村圭子著『戦国人名事典 コンパクト版』

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