提督の決断II

『提督の決断II』は、1993年に光栄（現コーエーテクモゲームス）から発売された海戦シミュレーションゲームです。第二次世界大戦を題材とした「WWIIゲームシリーズ」の第3作であり、『提督の決断』シリーズの第2作にあたります。音楽は吉川洋一郎が担当しました。

概要

プレイヤーは、大日本帝国軍令部総長またはアメリカ合衆国海軍作戦部長となり、隷下の軍勢を率いて大東亜戦争（太平洋戦争）の勝利を目指します。キャンペーンシナリオの他に、眼前の作戦目標達成を目指すショートシナリオも搭載されています。1人または2人でプレイ可能で、2人プレイの場合は、1台のパソコンで交互に操作する方法と、RS-232Cケーブルを用いた通信対戦があります。操作はフルマウスオペレーションで、SFC版でも日本軍とアメリカ軍に分かれて対戦プレイが可能です。

前作と比較すると、陸軍師団の登場、航空機の機種（零戦、烈風など）毎の特徴付け、重巡・軽巡の区分、毎月毎の会議など、より史実に近い形のシミュレートが行われるようになりました。攻撃艦隊と遭遇すると戦闘が開始され、海戦、空戦、陸戦の3種類があります。また、ゲームシステムに関しても、ターン制への移行が行われ碁盤目状の海戦マップとなり、それに伴い海戦システムも変更されています。

今作では世界地図も拡張され、パナマ運河を越えて、あるいは陸上部隊で北米大陸を横断してワシントンへ侵攻、アメリカ全土を征服することも可能です。

前作では1ターンが4時間、1日6ターンで進行していましたが、今作では1日が航海フェイズ、戦闘フェイズの2フェイズで進行することになり、戦闘シーンが簡略化されたことも相まって、ゲームの展開はかなりスピーディーになりました。

『提督の決断III』では、『提督の決断』のように、1日の細分化やボリューム満点の戦闘シーンなどが復活しています。

会議システム

キャンペーンシナリオと一部のショートシナリオには、毎月1日にカードバトル形式の会議があります。

日本でプレイした場合、プレイヤーは軍令部総長となり、総理大臣（東條英機）、陸軍参謀総長（杉山元）、大蔵大臣（賀屋興宣）、外務大臣（東郷茂徳）とのカードバトルによって国政や軍政に関することを決定します。

アメリカの場合は、プレイヤーは海軍作戦部長となり、出席閣僚は大統領（フランクリン・ルーズベルト）、陸軍長官（ヘンリー・スティムソン）、財務長官（ヘンリー・モーゲンソウ）、国務長官（コーデル・ハル）に変わります。

各部署の代表は、自分に都合の良い意見ばかりを出してくるため、限られたカードをいかに要所に投入するかが戦局を左右します。基本的に自軍（海軍）が先月の会議で決定した作戦目標を達成すれば配られるカードが増え、達成できないと減ってしまいます。

各代表ごとに友好度が設定されており、両国とも陸海軍の対立は非常に根深く設定されています。海軍側（プレイヤー）の要求に対し、陸軍側は海軍への予算配分や各種提案を次々と拒否するなどの妨害や嫌がらせを行います。特に大日本帝国でプレイした場合、総理大臣東條英機が陸軍出身と言うこともあってか、陸軍の肩ばかりを持つなど、色々な意味で本格的な仕上がりです。

逆にアメリカ側の場合、大統領が海軍次官を勤めた経歴を考慮してか、日本の総理大臣より遥かに海軍に対して好意的に振る舞うなど、かなり細かい点まで史実が反映されています。

隠しパラメータとして「不満度」があり、相手の提案を拒否したり発言機会を奪うと上昇し、こちらの提案や説得を拒否する頻度が高くなります。しかし、相手の提案に賛同したり却下されるのを阻止すると低下し、こちらの提案や説得に対して好意的に反応するようになります。そのため、重要ではない案件では他の出席者に譲るのも戦略の一つです。

ただし、会議で大勝利し続けると、国力・戦力があまりに向上しすぎ、ゲームバランスが崩れることもあります（開始後数年で日本がアメリカの国力を上回ってしまうなど）。

PC-98版ではパワーアップキットが発売されており、導入すると難易度調節機能の追加、操作性の向上、新シナリオの追加などが行えます。

その他

パワーアップキットでは、陸軍師団の操作やB-29・富嶽による戦略爆撃が可能になります。
技術力が一定の値に達すると、月末に新兵器が開発されます。

シナリオ

開戦前夜（1941.11.26-）
米軍の反撃（1942.5.27-）
* 敗北への道（1944.3.31-）

など、様々なシナリオが用意されています。

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