揖斐・長良川橋梁 (近鉄名古屋線)

揖斐・長良川橋梁の詳細

揖斐・長良川橋梁（いび・ながらがわきょうりょう）は、三重県桑名市内を流れる揖斐川と長良川に架かる鉄道橋で、近鉄名古屋線の一部を成しています。この橋梁は全長987.2メートルという規模を持ち、近鉄が所有する橋梁の中で最も長いものです。そのため、通勤や通学、さらには都市間輸送や観光客の移動においても重要な役割を果たしています。

橋梁の歴史

現在の揖斐・長良川橋梁は、1959年（昭和34年）9月に完成した2代目の構造物です。この橋は、名古屋方面と三重県北部を結ぶ交通の大動脈として機能し、木曽川橋梁と共に重要な役割を担っています。近鉄の公式資料ではこの橋の名称を「揖斐川橋梁」と記載しているものもあるため、名称に関する理解を深める必要があります。

初代橋梁と関西急行電鉄の役割

この橋梁の起源は、もともと伊勢電気鉄道が名古屋進出を狙う過程で重要な障害となった木曽三川を越えるため、国鉄から払い下げを受けた初代の揖斐・長良川橋梁にあります。しかし、伊勢電気鉄道が経営難に陥ったため、大阪電気軌道の子会社である参宮急行電鉄と統合し、関西急行電鉄として新たな橋梁を設計・建設することとなりました。初代の揖斐・長良川橋梁は1938年（昭和13年）に完成し、その後さまざまな経緯を経て近鉄に継承されました。

現在の橋梁の建設に至るまでの道のり

近鉄が名古屋・桑名間を開通し、名古屋進出を果たしたものの、伊勢電気鉄道の狭軌と大軌や参急の標準軌の違いから直通運転ができず、乗客は中川での乗り換えを強いられました。これを改善するため、近鉄は名阪間と名伊間の間の直通運転を目指し、新しい橋梁の建設を計画しました。1957年（昭和32年）10月から建設が始まり、国鉄から払い下げられた未使用のケーソンを活用して設計されました。

新橋梁の完成とその後

新しい揖斐・長良川橋梁は、1959年（昭和34年）に完成しましたが、運用開始から1週間後に伊勢湾台風による災害に見舞われ、名古屋線は甚大な被害を受けました。その後、復旧工事と共に標準軌化が進められ、同年11月にはこれが完了し、名古屋線全線が標準軌での運用に移行しました。現在では、旧橋梁の橋脚が残存しており、特に干潮時にはその姿を確認することができます。

橋梁の概要

• - 完成日時: 1959年（昭和34年）9月19日
• - 延長: 987.2メートル
• - 構造: 複線式下路平行弦ワーレントラス橋
• - 位置: 三重県桑名市東沙上から桑名市長島町西外面にかけて

沿革の要点

• - 1895年: 関西鉄道によって初代揖斐・長良川橋梁が完成。
• - 1928年: 関西本線の橋梁が架け替えられ、その後伊勢電気鉄道に払い下げ。
• - 1936年: 伊勢電気鉄道が参宮急行電鉄と合併。
• - 1938年: 関西急行電鉄によって新たに整備。
• - 1945年: 空襲により橋梁が被害を受けるが、復旧。
• - 1959年: 現在の橋梁が完成し、11月には全線が標準軌化。

周辺の橋と位置関係

揖斐・長良川橋梁の周辺には、様々な他の橋も存在し、交通の骨格を支えています。揖斐川流域には、油島大橋や伊勢大橋などが並ぶ一方で、長良川流域にも長良川大橋や揖斐長良川水管橋があり、交通の要所を形成しています。これらの橋は、地域の発展を支える重要な構造物としての役割を担っています。

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