携帯動画変換君

携帯動画変換君とは

携帯動画変換君は、Windows環境で動作する、携帯端末向け動画・音楽ファイル変換ソフトウェアです。
FFmpegをベースとし、独自のパッチを適用することで、携帯端末での再生に最適化された動画ファイルを作成できます。

概要

このソフトウェアは、FFmpegを核として、その前処理と後処理を担うフロントエンドツールとして機能します。FFmpeg自体はコマンドラインでの操作が基本ですが、携帯動画変換君はプリセット機能により、初心者でも容易に動画変換が可能です。一方で、詳細な設定変更には、外部テキストエディタを使用する必要があるため、細かな設定を求めるユーザーには不便な点もあります。

開発元の意図として、「FFmpegを手軽に扱う」ことが重視されており、余計な機能は極力排除されています。そのため、高度なカスタマイズを必要とするユーザーには、必ずしも最適とは言えません。

変換処理には、QuickTime for Windows 6.5.2以上（または7.4）のインストールが必要です。これにより、携帯電話向けMPEG-4コンテナの再構築が可能となります。ただし、QuickTime 7.3.1以降は、セキュリティ上の理由から特別な操作が必要となるため、現在は7.2が正式対応版とされています。

また、MP4Box (GPAC)を利用したヘッダ偽造により、端末の制限ビットレートを超える動画を作成することも可能です。変換時にはファイル名が変更されることがあり、例えば「解読不能」のようなファイル名は、ドットと拡張子のみのファイル名に変わる場合があります。

対応コーデック

基本的に、FFmpegの`libavcodec`に依存していますが、同梱されているFFmpegのバージョンが古いため、WMV3、RealVideo 3.0/4.0、VP6の読み込みや、ALACの書き出しには対応していません。ただし、AviSynth2.5以上をインストールし、DirectShow経由で動画データを読み込むことで、WMVなどの形式にも対応できます。また、ユーザー自身で新しいバージョンのFFmpegに入れ替えることも可能です。

独自のパッチ

FFmpegには独自のパッチが適用されており、以下のオプションが利用可能です。

`-maxfr`: 最大フレームレートの指定
`-fixaspect`: アスペクト比の固定（余白は自動的にpadding）
`-muxab`: オーディオビットレートの偽装
`-muxvb`: ビデオビットレートの偽装

また、内部処理にもいくつかの変更点があります。

Xvid出力のプロファイルはSimple@L3に指定
movタグの一部に対応
movに埋め込まれるタイムスタンプはJST（日本標準時）になる
入力音声のチャンネル数やサンプリングレートの変化に対応
標準出力と標準エラー出力のバッファリングを行わない

対応端末

ほとんどの設定で、著作権保護されたデータとして変換されます。これは、製作者が「動画データを携帯する」という本来の目的を重視しているためです。アラーム音などの登録も、通常のやり方ではできません。

対応端末は多岐にわたりますが、掲載されているのは一部であり、最新の端末は含まれていない場合があります。最新の情報については、下記の外部リンクから「MobileHackerz knowledgebase Wiki」を参照してください。

対応端末の一例

NTT DoCoMo: mova、FOMAの一部機種
au: Aシリーズ、Wシリーズの一部機種
SoftBank: 700～900番台のシャープ製端末、Vシリーズの一部機種
WILLCOM: WXシリーズの一部機種
その他: PSP、プレイやん、PLAY-YAN micro、iPod（ビデオ対応機種）、iRiverの一部機種、PlayStation 3、Wiiなど

関連ソフトウェア

携帯動画変換ちゃん: 本ソフトウェアのMac版。
携帯動画設定君: 設定補助ツール。

脚注

詳細な対応端末リストは「MobileHackerz knowledgebase Wiki」を参照。

関連項目

FFmpeg
iPod
PlayStation Portable
データ圧縮
MPEG-4
JPEG 2000
ASF (Advanced Systems Format)
AVI
DVD Decrypter

外部リンク

携帯動画変換君 3GP Converter
MobileHackerz knowledgebase Wiki
* 携帯動画変換ちゃん

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