政成和慶

政成 和慶

政成 和慶（まさなり かずよし）は、広島県出身の日本の映画監督および映像ディレクターです。2024年に劇場公開された映画『きみといた世界』で、商業映画監督として初めてメガホンを取りました。

来歴

広島県に生まれた政成和慶は、幼少期から絵や漫画を描くことに夢中な少年でした。広島県立廿日市高等学校を卒業後、芸術大学への進学を目指し、専門の受験予備校に通います。しかし、二年目の受験期に過度の作画が原因で腱鞘炎を患い、絵を描くことが困難になったことが、その後の進路に影響を与えます。第一志望であった東京藝術大学には合格できませんでしたが、倉敷芸術科学大学の芸術学部美術学科に入学し、映像分野を専門に学ぶことを選びます。

大学では、東映で活躍した映画監督の小西通雄や脚本家の鳥居元宏、そして映画評論家の水野晴郎といった各分野の識者に師事し、映画制作や脚本に関する深い知識と技術を習得します。在学中は大学の映画部に所属し、創作活動に没頭しました。特に、卒業制作として監督した、広島の田舎を舞台にした映画『我が青春のヒーロー』は高い評価を受け、第7回インディーズムービー・フェスティバルに入選。この作品は全国のTSUTAYAでDVDレンタルが実施されるという、学生作品としては異例の広がりを見せました。

大学卒業後、政成は岡山県の映像制作会社に就職し、ディレクターとしてキャリアをスタートさせます。会社勤務と並行して自主映画の制作も精力的に続け、故郷である広島県倉橋島を舞台に、祖父と孫の絆を描いた自主映画『彼方君へ』を監督。この作品は、広島の伝統的な小劇場である山小屋シアターで上映される機会を得ました。

その後、活動の拠点を東京に移し、映画製作の演出部スタッフとして働くなど、多岐にわたる映像制作の現場で経験を積み重ねます。2015年に公開された石井かほり監督のドキュメンタリー映画『一献の系譜』（石川県能登半島の杜氏を追った作品）では、編集を担当し、作品の完成に貢献しました。

現在はフリーランスの映像ディレクターとして、企業向けの映像やテレビ番組の制作などに携わっています。並行して、イラストレーターのarawaka氏と協働で一つの物語を漫画と映画で展開する企画を発案。この企画から生まれた映画『きみといた世界』で、長編商業映画の監督として劇場デビューを果たしました。

政成は故郷である広島への愛着が非常に強く、好物として広島風お好み焼きを挙げ、地元プロスポーツチームであるサンフレッチェ広島と広島東洋カープの熱心なファンでもあります。

主な作品

監督作品

自主映画『Nothing Object』（2002年）
自主映画『我が青春のヒーロー』（2003年） - 第7回インディーズムービーフェスティバル入選
自主映画『Good Morning』（2007年）
自主映画『彼方君へ』（2011年）
短編『Milk』（2014年）
MV『小さな花』（Psalm/2017年）
短編『春の日を想うモノローグ』（2023年）
映画『きみといた世界』（2024年12月14日公開）

参加作品

自主映画『信号』（2000年） - 撮影
自主映画『タンテイ』（2001年） - 撮影
自主映画『MIZUSHIMA INVADER TOWN』（2002年） - 撮影（第4回JCF学生映画祭入選）
商業映画『ブリュレ』（2008年/林田賢太監督） - 協力
商業映画『ヲ乃ガワ-WONOGAWA-』（2014年/山口ヒロキ監督） - 監督補
商業映画『紅破れ』（2014年/横川康次監督） - メイキング
ドキュメンタリー映画『一献の系譜』（2015年/石井かほり監督） - 編集

メディア出演

デッキーの映画CaaaaN!!!!（775ライブリーFM） - 2024年11月27日
Sweet Time Paradise『青い鳥を探して』（狛江エフエム『コマラジ』） - 2024年11月27日（生放送）
南川ある あるのあるがまま（エフエムさがみ） - 2024年12月6日放送
岡村洋一のシネマストリート（かわさきFM） - 2024年12月2日（生放送）
渋谷のシネマ（渋谷のラジオ） - 2024年12月19日（生放送）

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