教育航空集団

教育航空集団について

教育航空集団は、海上自衛隊の航空機パイロットや戦術航空士といった航空要員を育成する重要な組織です。司令部は千葉県柏市にある下総航空基地に置かれ、海上自衛隊の航空部隊の中核を担っています。

組織の特徴

教育航空集団の司令官は海将が務め、防衛大臣の直接の指揮監督を受けます。航空自衛隊にも「航空教育集団」がありますが、こちらはパイロット以外の教育も担当しており、海上自衛隊の教育航空集団とは異なる組織です。航空機の整備員や基地要員の教育は、海上自衛隊第3術科学校が担当します。

歴史

教育航空集団の歴史は、1958年の岩国航空教育隊の新編から始まりました。その後、鹿屋航空隊教育部が独立し、教育航空隊が各地に編成されました。1961年には「教育航空集団」が新編され、岩国、鹿屋、徳島、館山の各航空隊が隷下に入りました。初期の教育航空集団は、SNJやP2V-7といった機材を使用しており、時代とともに教育内容や機材も変化しています。

1963年には司令部が宇都宮に移転し、岩国教育航空群が廃止されました。その後、小月派遣隊や小月教育航空群が新編され、教育体制が拡大されました。1973年には司令部が下総に移転し、宇都宮教育航空群が廃止され、徳島教育航空群が新編されました。1974年には、鹿屋教育航空群が再編され、下総教育航空群が新編されました。

1987年には、鹿屋教育航空群が廃止され、下総教育航空群隷下にP-3C教育航空隊である第206教育航空隊が新編されました。1997年には、隊番号が変更され、下総教育航空群の第206教育航空隊が第203教育航空隊に、小月教育航空群の第221教育航空隊が小月教育航空隊に改称されました。

2011年にはYS-11T-Aが全機除籍となり、第205教育航空隊が廃止されました。2016年には、第211教育航空隊のOH-6DAが全機除籍となり、2018年には第211教育航空隊が回転翼基礎課程と計器飛行課程を担当する第211教育航空隊と、実用機課程を担当する第212教育航空隊に分割されました。2024年には、下総教育航空群隷下の第203教育航空隊にP-1が配備されました。

部隊編成

現在の教育航空集団は、以下の部隊で構成されています。

教育航空集団司令部（下総航空基地）
下総教育航空群（下総航空基地）
第203教育航空隊：P-3C、P-1
第203整備補給隊
下総航空基地隊
徳島教育航空群（徳島航空基地）
第202教育航空隊：TC-90
第202整備補給隊
徳島航空基地隊
小月教育航空群（小月航空基地）
第201教育航空隊：T-5
小月教育航空隊
第201整備補給隊
小月航空基地隊
第211教育航空隊（鹿屋航空基地）：TH-135
第212教育航空隊（鹿屋航空基地）：SH-60K

使用機材

教育航空集団では、パイロットの養成のために様々な機種の航空機を使用しています。主な機種としては、P-3C、P-1、TC-90、T-5、TH-135、SH-60Kなどがあります。過去には、SNJ、P2V-7、PV-2、R4D、SNB、B-65P、S2F-1、Bell、S-55、YS-11T-A、OH-6DAなどが使用されていました。

教育航空集団は、海上自衛隊の航空戦力の育成に不可欠な組織であり、その歴史と組織は、日本の航空防衛を支える重要な基盤となっています。今後の更なる発展が期待されます。

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