教行寺 (高槻市)

教行寺について

教行寺（きょうぎょうじ）は、大阪府高槻市富田町に位置する真宗大谷派の寺院で、山号は安静山、そして本尊は阿弥陀如来です。この寺院は、その歴史と信仰の深さから、地域の重要な文化遺産となっています。

歴史

教行寺の設立は、文明8年（1476年）頃に遡ります。この頃、室町幕府の管領である細川勝元から与えられた土地に、本願寺の第8世法主である蓮如がこの寺を創建したとされています。初めは「富田道場」と呼ばれ、地域の信仰の中心地として発展を遂げました。明応7年（1498年）には、蓮如の8男である蓮芸が道場に入ることで、一向宗の北摂地域における布教拠点としての地位を確立しました。この道場を中心に、門徒たちは寺内町である「富田寺内町」を形成し、文化的に豊かな地域へと成長しました。

しかし、天文元年（1532年）には一向宗に対する弾圧が行われ、富田道場や寺内町は焼き払われることとなりました。この歴史的な事件は享禄・天文の乱と呼ばれ、教行寺には厳しい試練が訪れたのです。

その後、天文5年（1536年）には富田道場が再建され、蓮如がここで浄土真宗の教義を示した重要な文献である『顕浄土真実教行証文類』（後の『教行信証』）を写本することになります。このことから、寺は「教行寺」と呼ばれるようになりました。

天正8年（1580年）には、石山本願寺が織田信長に敗れた際、教行寺は一時奈良に避難しました。その後、教行寺は移転を繰り返し、佐味田教行寺、田原本教行寺、そして最終的に箸尾教行寺が設立されました。特に名塩教行寺は、富田教行寺の影響を受けており、蓮芸が初代住持を務めました。

周辺情報

晩年の蓮如は教行寺を頻繁に訪れ、「蓮如上人腰掛石」と呼ばれる石に座って布教を行ったとされています。この石は旧永照寺の境内に残されており、歴史的な見どころのひとつです。また、地元の漢詩人坂田十松が詠んだ「富田十勝詩」の一部は、教行寺の周辺にある築山紅梅を題材としたもので、石碑に刻まれています。

交通アクセス

教行寺へのアクセスは便利です。最寄りの阪急富田駅からは徒歩10分で到着できます。また、JR摂津富田駅からは高槻市営バス「富田団地」行きに乗り、「富田校前」バス停から徒歩10分ほどの距離にあります。

教行寺は、歴史や信仰に興味のある方はもちろん、地域の文化に触れたい方にもおすすめの場所です。多くの信者に親しまれ、訪れる人々にその静かな美しさを提供しています。

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