敷島型戦艦

敷島型戦艦

敷島型戦艦（しきしまがたせんかん）は、日本海軍に所属する戦艦の一種で、1896年度および1897年度の海軍整備計画で建造が決定されました。具体的には「敷島」、「朝日」、「初瀬」、「三笠」の4隻が同型艦として存在します。この艦級は、ロシア海軍との対抗を念頭に置いて設計され、日本は当時イギリスに艦を発注し、イギリスで建造されたものです。各艦は1900年から1902年にかけて竣工し、この時代においては世界最大の戦艦とされました。

新たに登場した弩級戦艦の時代が始まると、敷島型は前弩級戦艦と見なされるようになります。特に「朝日」と「三笠」は助砲配置や煙突数の相違から準同型艦に分類されることもあります。また、「三笠」はこの艦級のネームシップともされています。

概要

敷島型は、イギリス海軍のマジェスティック級戦艦を基に改良された設計です。いくつかの最新技術を取り入れ、主砲および副砲には、40口径30.5cm砲と40口径15.2cm砲が用いられていますが、速力は18ノットで、前級の富士型戦艦よりも若干の低下が見られました。装甲材に関しては、3隻の「敷島」、「朝日」、「初瀬」にはハーヴェイ鋼が使用され、「三笠」にはクルップ鋼が採用されています。このことにより、「三笠」は他の3隻に比べ、より強固な防御力を誇っています。

艦形について

艦体は典型的な平甲板型で、高い乾舷を持ち、凌波性の向上を図っています。艦首にはラムが装備されており、主砲は楔型連装砲塔に組み込まれています。「敷島」と「初瀬」は3本の煙突を持っているのに対し、「朝日」と「三笠」は2本の煙突を持ちます。煙突周囲には煙管型の通風筒が立ち並び、その外縁部は艦載艇置き場に利用されています。各艦には7.6cm速射砲が20基配置され、近接火器としてミリタリーマスト上には単装機砲が8基装備されています。

武装

主砲は「アームストロング 1898年型 30.5cm（40口径）砲」で、386kgの砲弾を最大13,700mまで届かせる能力を持っています。砲塔は左右150度に旋回可能で、毎分1発の発射が可能な装填機構が整備されています。また、副砲には新設計の「1895年型 15.2cm（40口径）速射砲」が採用されています。その他に、近接火器として7.6cm速射砲や魚雷発射管が搭載され、火力の強化が図られています。

防御

この艦級では装甲材にハーヴェイ・ニッケル鋼が用いられ、ボックスシタデル方式による防御が行われています。主砲塔の防御も重厚で、様々な箇所に厚い装甲が施されています。特に「三笠」は、クルップ鋼により防御力が向上し、他の艦に比べて優れた防御能力を持っています。

機関

機関に関してはいくつかの蒸気機関が使用され、最大出力は14,500馬力を発揮することができます。このため、艦の速力は18ノットに達しており、戦時には十分な機動性を持っていました。

艦歴

敷島型の4隻は日露戦争において重要な役割を果たし、「初瀬」は旅順で機雷に触れて沈没しました。残る3隻は黄海海戦や日本海海戦に参加し、戦功を挙げました。「三笠」は一度爆沈したものの回収され、再び現役に復帰しました。その後、ワシントン海軍軍縮条約により多くの艦が廃艦となり、「敷島」と「朝日」は練習艦、「三笠」は記念艦として残りました。最後に「朝日」は戦時中に沈没しましたが、「敷島」は終戦まで海軍に在籍し続けました。

もう一度検索