斎藤正義

斎藤正義（さいとう まさよし）

戦国時代の武将で、美濃烏峰城（現在の岐阜県可児市兼山）の城主です。

生涯

斎藤正義の出自については、関白近衛稙家の庶子として生まれたという説が有力です。幼少の頃、比叡山で出家しましたが、武芸を好み、斎藤道三を頼ってその養子になったとされています。ただし、大納言を称したことなどから、斎藤氏の持是院家を継承したとする説もあります。

16歳で元服すると、日根野弘就に従い初陣を飾り、道三と敵対する勢力との戦いで活躍しました。道三が東濃への足掛かりとして築いた城には、兵力2000の将として配置されました。

1537年、近隣の14の諸将の協力を得て烏峰城を築城。翌年には新城に入城し、大納言を自称しました。このことから、室町中期の斎藤妙椿に始まる持是院家の惣領としての自覚があったと考えられています。

斎藤正義の地位は、道三よりも下位ではなかったと考えられ、守護土岐頼芸のもとで道三と並ぶ地位にあったと見られています。

1539年、等身大の甲冑姿の肖像画を作成させました。この肖像画は、斎藤正義が創建した浄音寺に現存しており、恵那郡岩村大圓寺住持明叔慶浚の賛があります。賛の一部は破損していますが、寺所蔵の写しによって補完され、活字化されています。

道三が日蓮宗を信仰していたのに対し、正義が浄土宗の浄音寺を建立したことから、道三の養子ではなかったとする説も存在します。

1548年、家臣の久々利頼興に酒宴に招かれ、謀殺されました。享年33歳。遺骸は浄音寺に葬られました。烏峰城は頼興の手勢により落城し、頼興の一族が留守を任されました。道三がこの件で報復しなかったことから、正義の勢力が拡大し意に沿わなくなったため、道三が頼興を使って謀殺したのではないかという見方も存在します。

浄音寺には斎藤正義の五輪塔がありますが、没年月日が不明瞭です。一般的には1548年2月とされていますが、拓影から1550年代の可能性も指摘されています。

1583年、斎藤正義の孫である加木屋正則によって、頼興は討たれました。

補足

斎藤正義の生涯は謎に包まれており、その出自や道三との関係、そして最期に至るまで、様々な説が存在します。今後の研究によって、新たな事実が明らかになる可能性もあります。

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