断么九

断么九（タンヤオ）

断么九（タンヤオチュー）は、麻雀における役の一つです。一九字牌（数牌の1と9、および字牌）を使わず、中張牌（数牌の2～8）のみで手牌を構成して和了した場合に成立します。1翻役であり、「タンヤオ」と略されることが一般的です。

概要

タンヤオは、その成立のしやすさから、リーチや平和（ピンフ）と並び、麻雀の基本的な役として知られています。他の役との複合も容易で、例えば平和と複合すれば「タンピン」、リーチをかければ「メンタン」、平和とリーチが複合すれば「メンタンピン」となります。

しかし、タンヤオは鳴くと1翻下がる役との複合が多いため、鳴いた場合は安手になる傾向があります。ただし、ドラを絡めることで、愚形待ちであっても高得点を狙うことが可能です。

クイタンの有無

副露（鳴き）した場合のタンヤオは「クイタン（喰いタン）」と呼ばれますが、クイタンを認めるかどうかはルールによって異なります。

歴史的には、戦前の書籍では門前役限定とはされておらず、クイタンは認められるものとされてきました。現在では、関東式のリーチ麻雀ではクイタンを認めることが多い一方、地方に多い先付けルールではクイタンを認めない場合があります。先付けルールの中でも、「クイタンのみでは和了できないが、他の役と複合すればクイタンの1翻を認める」または「対々和の場合に限ってクイタンを認める」といったケースも存在します。

ネット麻雀ではクイタンありのルールが一般的ですが、フリー雀荘やセット麻雀では、念のため同卓者に確認することをおすすめします。

牌姿の例

（例1）門前のケース

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[3m][4m][5m][6m][7m][5s][6s][7s][4p][5p][6p][7p][8p]


とのシャンポン待ち。

（例2）片和了のケース

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[2m][3m][4m][5m][6m][7m][8m][5s][6s][7s][8s][9s][9s]


待ちは[1s][4s]だが、[1s]ではタンヤオが付かないため、ツモなら門前清自摸和であがれるが、ロンでは立直しているか偶発役でしかあがれない。

（例3）副露したケース/三色同順との複合

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[2m][3m][4m][2s][3s][4s][2p][3p][4p][5p][6p][7p]

とのシャンポン待ち。副露した三色同順の例です。三色はタンヤオと複合しやすく、かつ鳴いても翻数が下がらない役の一つです。門前では合計3翻ですが、クイタンありのルールでは二翻縛りに有効となります（ただし、クイタンに縛りを認めないとするルールも一部に存在します）。クイタンなしの場合は三色のみの1翻となります。

（例4）対々和との複合

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[2m][2m][3s][3s][4p][4p][7p][7p][8p][8p]

ロン

対々和は中張牌のみで作られた場合には符が上がりにくく、上記のような30符止まりの手も珍しくありません。しかし、クイタンが認められていれば1翻上乗せでき、点数の低下を防ぐことができます。ちなみにこの例でツモあがりの場合は符ハネで40符となります。

（例5）清一色との複合

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[2s][3s][4s][5s][6s][7s][5s][6s][7s][5s][6s][7s]


の多面張となる喰い清一色の例。他の状況役やドラが載らない場合は、クイタンを認めるか否かで満貫と跳満の違いが出ます。

タンヤオと符

タンヤオは、刻子・槓子の符が么九牌よりも低い中張牌のみで構成されるため、一般に符が上がりにくい傾向があります。多くの場合は、食いタンや門前ツモで30符、門前ロンで40符に収まります。

（例6）門前で暗槓があるケース

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[2m][3m][4m][5m][5m][5m][5m][6s][7s][8s][9s][9s]


の両面待ちですが、いずれであがってもの暗槓で16符付いているため符ハネするケースです。立直しておらずドラもない場合、ツモなら門前清自摸和が付いて40符2翻、ロンなら50符1翻となります。

ヤオの漢字について

「断么九」の「么」は、「公」の2画目を取った字形です。この文字は「幺」の俗字ですが、日本国内では広く「么」の字が用いられています。ただし、「幺」はJIS X 0208に含まれるのに対し「么」はJIS X 0213収録であり、すべての日本語環境で表示できるわけではないので、代用として「断幺九」の表記が用いられる場合があります。

中国語圏の場合、繁体字では「么」が正字で、簡体字では「幺」が正しいです。中国企業開発の日本式麻雀オンラインゲーム『雀魂』では、簡体字のため「断幺九」の表記が用いられています。

なお、「断公九」の表記もインターネット上に見られますが、「么（幺）」は小さいの意、転じて数字の1を表す漢字であり、「断么九」で「（数牌のうち）1と9を断つ」の意であるため、「断公九」では意味が通らず誤りです。

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