斯波義信

斯波義信 (しば よしのぶ)

斯波義信は、日本の歴史学者であり、特に中国史に関する研究において高名な存在です。彼は1930年10月20日、東京府東京市小石川区で生まれ、長い学問の道を歩んできました。彼の専門は、特に宋代における商業史や華僑・華人研究に焦点を当てています。

学歴と職歴

斯波は1943年に学習院初等科を卒業し、1950年には都立高等学校を卒業、その後1953年に東京大学文学部東洋史学科を卒業しました。さらに、1955年には同大学院の人文科学研究科で修士課程を修了し、1961年には熊本大学法文学部で助教授として教鞭を執ることとなります。

1962年に彼は、「宋代における商業的発展」に関する研究を通じて東京大学から文学博士の学位を取得。その後、彼は大阪大学文学部の助教授を経て、1979年には教授に就任しました。1986年からは東京大学東洋文化研究所教授となり、1991年から2001年には国際基督教大学教養学部の教授を務めました。2001年以降は財団法人東洋文庫の理事長（文庫長）を任され、2007年に大阪大学の名誉教授としても名を残しています。

研究分野

斯波義信は、伝統的な漢籍だけでなく、ヨーロッパ語で書かれた文献にも通じている博覧強記な研究者として知られています。彼は、中国の経済史や商業史、さらに華僑の文化などに関する幅広い知識を持ち、日本の東洋学界を代表する存在として国際的にも高く評価されています。

彼の弟子の一人である青木敦は、青山学院大学の教授として活躍しており、斯波の影響を受けた学者として知られています。

受賞と栄典

斯波義信は多くの受賞歴を持ち、2004年には瑞宝重光章を授与され、2017年には文化勲章を受賞しました。さらに、2018年には唐奨漢学賞も受賞しており、彼の学問への貢献は広く認められています。

著書

彼の著作には以下のようなものがあります：

• - 『宋代江南経済史の研究』（汲古書院、1988年）
• - 『宋代商業史研究』（風間書房、1989年）
• - 『華僑』（岩波書店〈岩波新書〉、1995年）
• - 『中国都市史』（東京大学出版会〈東洋叢書〉、2002年）

特に『宋代商業史研究』や『中国都市史』は、彼の専門領域における重要な研究成果として評価されています。

結論

斯波義信は、中国の歴史、特に宋代の商業に関する研究において、国際的に著名な学者の一人です。彼の業績は、今後の研究においても多大な影響を与え続けることでしょう。

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