新井章治

新井章治の生涯と業績

新井章治（あらい しょうじ）は、1881年12月8日に埼玉県の大麻生村で生まれました。父は篤農家の新井健吉であり、家族は農業に従事していました。新井は1905年に早稲田大学の政治経済学科を卒業し、社会人生活をスタートさせます。初めは秩父鉄道に勤務しましたが、健康上の理由で退職しました。その後、義父が経営している利根発電に1913年に参加し、取締役支配人としての役割を果たしました。

1921年には利根発電が東京電燈に吸収合併され、その後、本社で営業部次長として働き始め、行動力を発揮しました。1933年には取締役営業部長に就任し、続いて常務取締役に、さらには副社長に昇格するなど、着実にキャリアを積み重ねていきました。この間に横浜市への贈賄の疑惑で逮捕されるも、無罪となったことは彼の経歴の一部として記憶されています。

1940年には、当時の社長小林一三が商工大臣に就任したことに伴い、新井は東京電燈の社長に昇格しました。その後、1942年に配電統制令による解散を迎えますが、彼は関東配電の社長に就任し、1943年には日本発送電の総裁に就任します。しかし、1947年には公職追放によって辞職を余儀なくされました。

戦後、日本発送電が解体され、新たに東京電力が設立される際、新井は会長に迎えられましたが、病状が悪化し、就任から数ヵ月後の1952年に亡くなりました。その後、彼の部下である安蔵弥輔が会長に昇格し、高井亮太郎が社長に就任しました。

人物像と趣味

新井章治は、趣味として碁を好み、静かな生活を大切にしていました。宗教は真言宗に所属しており、生涯にわたって精神的な安定を求めていました。また、東京の荏原区小山町に住んでいたという記録が残っています。

家族と親族

新井家は、父の健吉をはじめとした篤農家の家庭であり、彼には複数の弟妹がいました。妻は葉住利蔵の長女であり、子供たちもそれぞれに外で活躍しています。長男は東横電鉄の社員として働いており、娘たちもそれぞれ異なる家庭に嫁いでいます。また、親戚には業界で著名な人物も多く、彼の家庭は広いネットワークを持っていました。

新井章治の業績や生涯は、日本の電力業界の歴史において重要な位置を占めています。彼の影響力と実業家としての貢献を振り返ることは、現代においても多くの教訓を提供しています。

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