新制作協会

新制作協会：日本の美術史に名を刻む団体

新制作協会は、1936年（昭和11年）、日本の美術界に自由と純粋さを求めて誕生した美術団体です。当時の日本は戦時体制へと傾きつつあり、文部省による美術団体の改組が混乱を招く中、若き9人の画家たちが中心となり結成されました。彼らは、既存の枠にとらわれず、独自の表現を追求する場として新制作協会を設立したのです。

設立から戦後、そして現代へ

創立メンバーには、猪熊弦一郎、伊勢正義、脇田和、中西利雄、内田巌、小磯良平、佐藤敬、三田康、鈴木誠といった、後に日本を代表する画家となる面々が名を連ねています。設立3年後には彫刻部が設立され、本郷新、山内壮夫、吉田芳夫、舟越保武、佐藤忠良、柳原義達、明田川孝ら、多くの彫刻家たちが加わりました。戦後には建築部（現在のスペースデザイン部）と日本画部（後の創画会）が合流し、現在の絵画、彫刻、スペースデザインの3部門体制が確立しました。

厳格な審査と高い芸術性

新制作協会が主催する展覧会「新制作展」は、毎年開催され、高い芸術性と厳格な審査で知られています。2006年までは東京都[[美術館]]で開催されていましたが、2007年からは国立新[[美術館]]に移転しました。入選者数や受賞者数は他の団体と比較して少なく、作品の質も非常に高いレベルにあると言われています。会員による審査は、搬入後に行われる多数決で決定され、賞は「協会賞」と「新作家賞」の2種類が設けられていますが、実際には「新作家賞」が中心となっています。「新作家賞」受賞者は「新制作協会協友」に推挙され、これは他の団体における「会友」に相当しますが、新制作展では入選回数に関係なく、選抜された者だけがなれる点が特徴です。近年では、絵画部門において入選15回で「協友」となる制度も導入されました。

著名な会員と日本の美術界への貢献

新制作協会は、これまでに数多くの著名な美術家を輩出しており、日本の美術界に多大な貢献を果たしています。創立メンバーをはじめ、三岸節子、荻須高徳なども会員として活躍しました。新制作展は、多くの優れた作品を発表する場であり、日本の現代美術の発展に大きな影響を与えてきたと言えるでしょう。

まとめ

新制作協会は、戦時下の混乱期に自由と純粋さを求めて設立された美術団体です。厳格な審査と高い芸術性を維持し、数々の著名な美術家を輩出してきた歴史を持つ、日本の美術界において重要な役割を果たしてきた団体と言えるでしょう。その活動は、現代においても日本の美術界に大きな影響を与え続けています。新制作展は、これからも日本の美術界を牽引する存在として、その役割を果たしていくものと期待されます。 今後とも、新制作協会の活動に注目していきたいところです。

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