新北市政府捷運工程局

新北市政府捷運工程局（新北市捷運局）は、新北市における都市鉄道（捷運）の建設を専門とする機関です。2013年1月1日に新北市政府の一級機関として設立され、当初は新北市政府交通局内の「新北市政府捷運工程処」として発足しました。その後、2016年1月1日に市政府直轄の「捷運工程局」へと昇格し、より独立性の高い組織として、新北市内の捷運建設を推進する役割を担っています。

設立の背景と役割

台北捷運は、台北市を中心に路線網が形成されていますが、今後の郊外路線は新北市内を主な走行区間とするため、新北市が自ら建設を主導する必要性が高まりました。これまで台北市政府捷運工程局が担っていた建設業務の一部を引き継ぎ、新北市内の路線整備を担うことになりました。

特に、新北市長である朱立倫氏が2010年の地方選挙で提唱した「三環三線」政策は、新北市における捷運網整備の根幹となっています。新北市捷運工程局は、この「三環三線」構想の実現に向けて、具体的な路線計画の策定から建設、運営準備までを一貫して行う重要な役割を担っています。

組織体制

新北市捷運工程局は、局長、副局長をトップに、以下の部門で構成されています。

首長
局長
副局長
主任秘書
総工程司
副総工程司
専門委員
業務部門
総合計画科
土木管理科
土木建築科
土地開発科
資材管理科
機電系統科
技術発展科
淡海工務所
安坑工務所
三鶯工務所
事務部門
秘書室
人事室
政風室
会計室

捷運建設計画

新北市捷運工程局が現在計画・建設中の路線は以下の通りです。これらの路線は、動物園駅を除き、全て新北市内に駅が設置される予定で、新北市政府が主要な担当機関となっています。

環状線：第一段階は既に開通しており、第二段階の建設が進められています。
三鶯線：新北市南西部を結ぶ路線で、建設が進められています。
淡海軽軌：淡水地区を走るLRT路線で、一部区間が開業済みです。
安坑軽軌：新店安坑地区を走るLRT路線で、建設が進められています。

関連機関

新北市捷運工程局に関連する主な機関は以下の通りです。

台北捷運公司：現在、台北捷運の運営を担っている会社ですが、新北市でも新北捷運公司の設立が検討されています。
台北市政府捷運工程局：台北市の都市鉄道建設を担う機関です。
交通部鉄路改建工程局：台湾鉄路管理局路線の計画・設計・施工監督を行う機関です。
交通部高速鉄路工程局：台湾高速鉄道の建設を担当するほか、地方都市の都市鉄道計画も担当しています。
高雄市政府捷運工程局：高雄捷運の建設・運営を担う機関です。
台中市捷運工程処：台中捷運のうち、中央政府（交通部）が担当する緑線以外の路線を担当しています。
桃園市政府捷運工程局：桃園捷運のうち、中央政府（交通部）が担当する桃園機場捷運以外の路線を担当しています。

新北市捷運工程局は、新北市における都市交通の発展と、市民生活の利便性向上に貢献しています。今後も、新北市における捷運網の拡大とサービスの向上を目指し、積極的に事業を展開していくことが期待されます。

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