新宮行朝

新宮行朝の生涯

新宮行朝（しんぐう ゆきとも）は、江戸時代前期に活躍した武将で、彼の家系は清和源氏に属し、新宮蔵人行家の子孫であるとされています。行朝の出生地である熊野別当家に根ざした新宮堀内家とその親族については、『寛政重修諸家譜』に記録が残されており、彼の血筋を知る手がかりとなっています。

幼少期と初名

慶長元年（1596年）、紀伊国の新宮城主である堀内氏善の六男として生まれた行朝の名前は初め、堀内氏弘と名づけられました。彼は幼い頃から武士としての教育を受け、時代の流れに従った動乱の中で成長していきました。

戦国時代からの忠義

豊臣秀吉が日本全国を統一しようと奮闘している時期、行朝は彼の家臣として仕官しました。しかし、関ヶ原の戦いでは西軍に属したため、彼は改易されて家族の名を失い、落ちぶれてしまいます。その後、浅野幸長が紀伊和歌山城を治めることになると、行朝は500石の捨て扶持を賜りますが、彼はこの状況を受け入れられずに脱藩しました。

大坂の陣での奮闘

行朝は大坂の陣で旧領を取り戻すため、300人の手勢を率いて豊臣氏に味方します。彼は大野治房の寄騎として戦い、その後伊東長次の軍勢にも加わります。大坂夏の陣では天王寺や岡山での戦闘において傑出した戦果を上げ、紀州一揆をおこし、浅野氏を追い詰めるなど、大志を抱き戦ったことが知られています。

捕縛とその後の運命

大坂城が陥落すると、行朝は一時的に逃げ延びますが、大和国で松倉重政の軍に捕らえられます。しかし、行朝は運命の転機を迎え、彼の三弟である堀内氏久の千姫救出の功績により赦免され、伊勢国津藩の藤堂高虎の家臣として再起を果たします。
また別の伝説によると、大和の竜田藩において片桐氏に70石で仕官していたとも言われています。

まとめ

新宮行朝は波乱に富んだ人生を歩み、多くの戦に参加しながら名を馳せました。忠義を貫き通しながらも、時代の移り変わりに翻弄される彼の歴史は、江戸時代の武将たちの姿を知る上で重要なものとなっています。

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