新小岩信号場駅

新小岩信号場駅

新小岩信号場駅は、東京都葛飾区東新小岩一丁目に位置する日本貨物鉄道（JR貨物）の鉄道駅です。総武本線、そしてその貨物支線である新金線と越中島支線が結節する、貨物列車運行上の重要な地点であり、旅客用の総武快速線の線路沿いに設けられています。

現在の機能と役割

かつては貨物の積み下ろしが行われる駅として機能していましたが、現在ではそのための荷役設備は撤去されています。現在の主な機能は、信号場としての役割に加え、小規模な操車場として、主に新金線と総武快速線を直通する貨物列車の機関車方向転換や、一部の貨車の入換作業を行うことに集約されています。

定期貨物列車としては、川崎貨物駅や隅田川駅と千葉貨物駅を結ぶ列車、あるいは鹿島臨港線へ直通する列車が、一日あたり上下各4本程度発着しています。これらが当駅を通過または経由する数少ない定期の貨物輸送です。

これらの定期列車のほか、当駅は工事列車（工臨）の運行拠点としても重要な役割を担っています。越中島貨物駅に隣接する東京レールセンターから各地へ発送されるレール、時には遠く日本製鉄九州製鉄所（八幡地区）から運ばれる150メートルもの長尺レールを運搬する工事列車が、新小岩信号場駅を経由して東日本旅客鉄道（JR東日本）管内の様々な線区、特に関東地方や信越地方へと向かいます。これらの工事列車は主に平日にその姿を見ることができ、当駅構内はその待機場所ともなっています。

構内での作業

当駅構内では、到着した貨物列車や工事列車の進行方向や牽引機関車の種類に応じて、特徴的な入換作業が発生します。特に、金町駅から新金線を経由して電気機関車に牽引されてきた列車が越中島貨物駅方面へ向かう場合、その先の越中島支線が電化されていないため、牽引機関車を電気機関車からディーゼル機関車へ交換する作業が必要です。また、千葉貨物駅方面へ向かう場合には、進行方向を変えるために機関車を列車の反対側に付け替える機回し作業が行われます。このように、当駅を発着する列車のほとんどにおいて、いずれかの入換作業が発生するのが常となっています。

さらに、当駅構内には東日本旅客鉄道（JR東日本）が所有するバラスト（線路の敷石）輸送用のホッパ車が留置されている光景もよく見られます。これらのホッパ車は、JR東日本千葉支社管内で行われる線路保守工事などで使用される工事列車（工臨）に連結されるため、ここで待機しています。時折、バラスト輸送のため水郡線の西金駅まで運転されることもあります。

歴史をたどる

新小岩信号場駅の歴史は、大正時代の終わりにあたる1926年に「新小岩信号所」として始まりました。同年中には金町方面への支線が開業し、「新小岩操車場」へと発展します。1928年には旅客扱いを開始して「新小岩駅」が開業するとともに、錦糸町にあった鉄道施設の移転を受け、新小岩車両所と新小岩機関区が設置されました。

新小岩駅での貨物取扱は1945年に開始されましたが、手狭になったことから、1968年6月1日には貨物機能と操車場業務が分離され、新たに「新小岩操駅」（しんこいわそうえき）が開業します。その後、1986年11月1日には操車場機能に特化するため「新小岩操車場」に一度改称されますが、翌1987年3月31日には再び操車場を兼ねた貨物駅「新小岩操駅」として格上げされました。そして1987年4月1日の国鉄分割民営化により、日本貨物鉄道（JR貨物）の駅となります。

平成に入ると、施設の再編が進みました。1997年3月には千葉機関区新小岩派出が設けられましたが、同年8月には新小岩車両所が川崎貨物駅構内へ移転し、川崎車両所と改称されました。さらに、貨物輸送体系の大きな変更が起こります。2000年12月2日、千葉方面への貨物輸送の主要経路が総武本線から武蔵野線・京葉線経由に変更されたことで、当駅を発着する貨物列車は大幅に減少しました。これらの変化を経て、2011年3月12日には現在の「新小岩信号場駅」へと改称され、同時に千葉機関区新小岩派出も廃止されました。

敷地の変遷

かつて駅構内は現在よりも広大で、車扱貨物ホームや新小岩機関区、貨車の検査を行う新小岩車両所などが存在しました。貨物ホームは1986年に閉鎖された後、一時的に廃車となったDD51形ディーゼル機関車が集められ解体場として利用された時期もありました。機関区と車両所は1997年にそれぞれ蘇我駅や川崎貨物駅へ移転しました。2000年の貨物輸送経路変更により、当駅の規模は著しく縮小しましたが、その跡地は再開発され、現在では私学事業団総合運動場や集合住宅などに転用されています。

駅周辺

駅周辺は主に住宅地が広がっています。近くには平和橋通り、蔵前橋通り、環七通りといった主要な東京都道が通っています。

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