新広島バイパスとは？意味をやさしく解説

新広島バイパス

新広島バイパスは、広島県安芸郡海田町から広島市西区観音本町に至る、総延長9.5kmの国道2号バイパスです。慢性的な交通渋滞の緩和と、広島市内の交通分散を目的に建設されました。

概要

起点: 安芸郡海田町（国道2号東広島バイパスに接続）
終点: 広島市西区観音本町（国道2号西広島バイパスに接続）
延長: 9.5 km
規格: 第4種（旧構造令による）
車線: 完成4車線 - 完成8車線
最高速度: 60 km/h（仁保2丁目 - 終点：50 km/h）
総事業費: 約66億円（うち用地費約23億円）

特徴

新広島バイパスは、中国地方における一般国道の二次改築（バイパス）として、最も早く着手されました。建設以前の国道2号は、沿線に民家が密集する2車線道路であり、深刻な交通渋滞を引き起こしていました。バイパスの建設により、広島市東部の交通渋滞が緩和され、市内への交通分散に貢献しました。

起点から広島市南区仁保2丁目までの3.6km区間は、黄金橋西詰がランプによる立体交差となっており、自動車専用道路のような構造となっています。また、広島市中区平野町から終点にかけては、バイパスの直上高架に西広島バイパス（都心部延伸区間）が建設されており、一部区間が開通済みです。

道路の位置関係

福山方面から宮島・岩国方面へ向かう場合、以下の順に道路が接続します。

東広島バイパス → 新広島バイパス → 西広島バイパス

通過市町村

安芸郡海田町
広島市

主な構造物

海田新橋
黄金橋
平野橋
新明治橋
新住吉橋
新観音橋
旭橋/新旭橋

歴史

1959年（昭和34年）：用地着手
1962年（昭和37年）：工事着手
広島市東雲地区から工事が開始され、その後、黄金橋や新住吉橋などの橋梁工事が進められました。船越地区や東雲地区では、軟弱地盤対策も併せて実施されました。
1966年（昭和41年）12月：全線供用（一部暫定）
1968年（昭和43年）3月：全線完成供用

交通量

2005年度の道路交通センサスによると、平日24時間交通量は以下の通りです。

広島市南区堀越3丁目：79,835台
広島市南区出汐2丁目：74,910台
広島市中区南竹屋町：57,976台
広島市中区舟入本町（都心部延伸・平面部）：70,783台

その他

新広島バイパス開通以前の国道2号は、海田町で国道31号と合流し、船越町、大州町、荒神町、八丁堀、紙屋町交差点、白神社前交差点、明治橋、住吉橋、観音橋、旭橋を経由するルートでした。

船越地区においては、盛土部の地盤沈下が見られる箇所があります。構造物部分は沈降しないため、路面が不均一になっています。現在、舗装修繕工事が行われていますが、恒久的な対策には至っていません。

渕崎ICの出口ランプには、自転車用の道路が確保されていませんでしたが、2007年度より歩行者・自転車用道路の整備が開始されました。

新広島バイパスは、両端で接続する東広島バイパスや西広島バイパスとは異なり、旧道が国道2号の指定から外れており、自動車専用道路でもないため、一般的な道路地図にバイパス名が記載されていない場合があります。

新広島バイパス