新庄盆地

新庄盆地

新庄盆地は、山形県の北東部に位置する内陸性の盆地です。奥羽山脈と出羽山地に挟まれた場所にあり、最上川とその支流である鮭川が盆地を流れています。広義には、猿羽面群の丘陵によって区切られ、新庄市を中心とする狭義の新庄盆地と、その北に位置する金山盆地、鮭川河谷などに分けることができます。

地理

新庄盆地は、奥羽山脈と出羽山地の間に位置する内陸盆地群の一部を構成しています。この地域には、新庄盆地と向町盆地があり、神室山地と翁峠山地によって東西に隔てられています。盆地内はさらに、盆地主部、小国川下流河谷、最上川本流河谷、鮭川下流河谷、金山小盆地などに細分化されます。

最上川は、盆地内で多くの支流を集めながら西へと流れ、庄内平野へと続いています。新庄盆地では、最上川とその支流によって形成された段丘地形が発達しているのが特徴です。

気候

山形県は、気候が庄内型と内陸型に大別されます。新庄盆地は内陸型に属し、盆地ごとに気候が異なります。新庄市と山形市を比較すると、新庄市は降水日数が約1.5倍多く、日照時間は約75％短いという特徴があります。これは、新庄盆地が豪雪地帯であることと深く関係しています。10月から3月にかけての降水量は非常に多く、日本海で発達した雪雲が西風によって盆地に雪を降らせます。また、7月から11月にかけて霧が多いのも特徴です。

歴史

新庄盆地の歴史は古く、鮮新世（約500万年前～160万年前）には、この地域は日本海から深く入り込んだ内湾でした。真室川町では、その時代のものとされる鯨の化石が発見されています。縄文中期（約4500年前～4000年前）には、すでに人が住んでいたと考えられており、舟形町では日本最大の土偶「縄文の女神」が発見されました。江戸時代には新庄藩が成立し、独自の文化や言葉が育まれました。明治時代には廃藩置県により新庄県となり、その後山形県に編入されました。昭和時代には、塩野原が大規模に開拓されました。

産業

農業

新庄盆地では、平坦な土地を利用して稲作が盛んに行われています。また、採草放牧地も多く利用されています。野菜や果樹などの畑作は比較的少ないですが、鮭川村のきのこ栽培、真室川町の山菜、大蔵村の桃太郎トマトなどが特産品として有名です。花卉栽培も行われており、新庄市や鮭川村ではバラやトルコギキョウが栽培されています。

林業

新庄盆地は国有林の比率が高く、人工林も多く見られます。金山町は「金山杉」の産地として知られ、樹齢250年を超える美しい杉林が点在しています。

漁業

最上川や鮭川では、アユやサクラマスなどの釣りを楽しむことができます。舟形町は「アユの町」として知られており、鮭川村にはサケの孵化場が設置されています。

観光業

新庄盆地には、肘折温泉や羽根沢温泉など、多くの温泉があります。また、巨木が多く残る地域としても知られており、観光客を魅了しています。毎年8月には、東北最大級の山車祭りである新庄祭が開催され、多くの人で賑わいます。

交通

鉄道

新庄駅は、山形新幹線、奥羽本線、陸羽東線、陸羽西線が乗り入れる交通の要衝です。山形新幹線を利用すれば、東京方面へのアクセスも容易です。奥羽本線は、新庄駅を境に運行系統が分断されており、山形線と奥羽南線に分かれています。陸羽東線は宮城県方面へ、陸羽西線は庄内方面へとつながっています。

道路

国道13号と国道47号が盆地内を縦横断しており、主要な道路交通を担っています。尾花沢新庄道路や主寝坂道路など、高速道路網も整備が進んでいます。盆地内から他地域へ出る際には、峠や峡谷などの難所を通る必要がありますが、トンネルなどが整備され、交通の便は比較的良好です。

新庄盆地断層帯

新庄盆地の東縁には、南北方向ないし北北東－南南西方向に延びる活断層帯である新庄盆地断層帯が存在します。この断層帯については、過去の活動に関する資料が乏しく、詳細な活動履歴や最新活動後の経過率は不明です。今後の調査によって、最新活動時期や活動間隔、活動区間などを明らかにする必要があります。

関連項目

最上川流域の盆地・平野
米沢盆地
長井盆地
山形[[盆地]]
尾花沢[[盆地]]
庄内平野
山形県の4つの地方
村山地方
置賜地方
庄内地方
* 最上地方

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