新愛岐大橋

新愛岐大橋（しんあいぎおおはし）

「新愛岐大橋」とは、愛知県丹羽郡扶桑町小淵と岐阜県各務原市鵜沼大伊木町の間に架設が計画されている、県道の一部を構成する橋梁の仮称です。この新しい橋の建設は、長年にわたり周辺地域の交通課題を抱えてきた背景から生まれました。

建設の背景と計画の経緯

新愛岐大橋が計画される以前から、木曽川に架かる既存の愛岐大橋（愛知県道・岐阜県道17号江南関線の一部）は、慢性的な交通渋滞が深刻な問題となっていました。さらに、橋梁自体の老朽化も進んでおり、抜本的な対策が求められていました。これらの状況を踏まえ、1999年（平成11年）、愛岐大橋から上流へ約1.5km離れた位置に、新たな橋を架ける計画が具体化しました。

当初、この新橋を含む区間は「一般県道扶桑各務原線」として整備される予定でした。しかし、後にその位置づけが変更され、地域高規格道路である「岐阜南部横断ハイウェイ」の枝線にあたる「新愛岐道路」の一部として整備が進められることになりました。これは、新愛岐大橋が単に特定の県道の一部としてだけでなく、より広域的な交通ネットワークの一翼を担う重要な役割を期待されていることを示しています。計画されているルートは、愛知県側の扶桑町内では、大型商業施設であるイオンモール扶桑の近くを通り、地域における主要な幹線道路である国道41号（名濃バイパス）に接続する予定です。

事業の進捗と課題

この大規模なプロジェクトは、計画決定後、段階的に進行しています。2005年（平成17年）からは、橋梁本体の建設に先立ち、関連する周辺地域の用地取得や取り付け道路などの整備が開始されました。しかし、事業の進捗は当初の予定通りには進んでいない状況です。

例えば、2015年（平成27年）9月時点での状況を見ると、全体の工事は限定的な範囲にとどまっていました。具体的には、岐阜県側の各務原市における取り付け道路の一部区間では着工が確認されていましたが、愛知県側の扶桑町においては、地元住民との間で合意形成を図るための調整に時間を要しており、また、橋梁本体の詳細な設計作業も完了していない状況でした。このような地元との協議の難航などが主要な要因となり、事業全体の進行に遅れが生じました。

当初、新愛岐大橋を含む新愛岐道路の完成は2021年（令和3年）を目指していました。しかし、前述のような課題、特に地元の合意形成に多くの時間を費やしたことなどから、計画の見直しが避けられなくなりました。2016年（平成28年）の時点では、事業全体の完成予定時期は2027年（令和9年）へと修正されています。このことからも、公共事業における地元理解と協力の重要性が改めて浮き彫りになっています。

主要な構造諸元

計画されている新愛岐大橋は、以下の主要な構造諸元を持つ予定です。

橋長: 870.0 メートル
幅員: 15.0 メートル

これらの諸元は、将来的に増加する交通量に対応し、円滑な交通を確保するための規模を示しています。新愛岐大橋の完成により、周辺地域の交通渋滞が緩和され、人流・物流の活性化に貢献することが期待されています。事業は長期にわたっていますが、完成に向けた取り組みが進められています。

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