新永春トンネル

新永春トンネルは、台湾鉄路管理局北廻線の永楽駅と東澳駅間に位置するトンネルで、全長4,460メートルの単線トンネルとして建設されました。このトンネルは、既存の永春トンネルと並行して設けられ、スラブ軌道が採用されています。

建設の背景には、北廻線の輸送能力増強を目的とした複線化計画がありました。1995年8月に掘削工事が開始され、当初の予定では2000年2月に完成するはずでしたが、工事中に大量の地下水が湧出するという予期せぬ事態が発生し、工期は大幅に遅れることになりました。

この湧水問題は、建設プロジェクトにとって大きな障害となりました。建設チームは、湧水の原因を特定し、様々な対策を講じる必要に迫られました。その結果、トンネルのルートを一部変更したり、熱した歴青モルタルを注入して止水するなどの対策が実施され、最終的に湧水問題を克服することができました。

幾多の困難を乗り越え、トンネルは2002年9月5日に貫通しました。その後、設備の最終調整と安全確認が行われ、2003年7月4日に新永春トンネルは正式に開通し、北廻線の複線化に大きく貢献しました。このトンネルの開通によって、列車運行の安全性と輸送能力が向上し、地域の発展にも寄与しています。

もう一度検索