新田神社 (薩摩川内市)

新田神社の概要

新田神社（にったじんじゃ/にいたじんじゃ）は、鹿児島県薩摩川内市宮内町に位置する、格式高い神社です。かつては「新田八幡宮」などとも呼ばれ、八幡神を祀っていましたが、現在は天津日高彦火邇邇杵尊（ニニギノミコト）を主祭神としています。この神社は、薩摩国の一宮として、また神社本庁の別表神社としても知られています。

歴史

新田神社の創建については諸説ありますが、社伝によれば、ニニギノミコトがこの地に宮を築いたのが始まりとされています。また、「新田」という名称は、ニニギノミコトが川内川から水を引いて新しく田を造ったことに由来するとも伝えられています。

この神社に関する最古の記録は、1165年のもので、この記録から、865年頃に再興されたことが示唆されています。その他にも、725年創建説や882年建立説など、創建年代については複数の説が存在します。

かつて新田神社は、八幡五所別宮の一つとして八幡神を祀っていました。これは、承平天慶の乱の際に国家鎮護を祈願し、石清水八幡宮から勧請されたことによるものです。

また、新田神社が鎮座する神亀山には、もともと山陵（可愛山陵）だけがあり、神社はなかったとされています。後に、山陵の御霊を祀るために社殿が建立されました。

祭神

新田神社の主な祭神は以下の通りです。

天津日高彦火邇邇杵尊（ニニギノミコト）
天照皇大御神
正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊

江戸時代までは、応神天皇、神功皇后、武内宿禰の八幡三神も祀られていました。

可愛山陵

新田神社の背後には、ニニギノミコトの陵墓とされる可愛山陵（えのやまのみささぎ）があります。この陵墓は、1874年に宮内省によって正式に治定され、現在は宮内庁書陵部が管理しています。神社と陵墓が一体となっているのは、全国でも珍しい形態です。

摂末社

新田神社には、数多くの摂末社があります。主なものを以下に紹介します。

御陵社：ニニギノミコトを祀る。
端陵神社：ニニギノミコトの妃神である木花開耶姫尊を祀る。
中陵神社：ニニギノミコトの皇子である火闌降命を祀る。
川合陵神社：ニニギノミコトの兄弟神である天火明命を祀る。
四所宮：彦火火出見尊、豊玉姫尊、鵜葺草葺不合尊、玉依姫尊を祀る。
武内宮：彦太忍信命を祀る。
二十四社：天孫降臨に際して供をした五伴緒神などを祀る。
興玉神社：猿田彦命を祀る。
高良神社：天鈿女命を祀る。
中央神社：大山祇神を祀る。
早風神社：級長津彦命を祀る。
東門守神社：豊磐間戸神を祀る。
西門守神社：櫛磐間戸命を祀る。
保食神社：保食神を祀る。
稲荷神社：倉稲魂命を祀る。


また、境外には、大己貴神社、九樓神社、守公神社、武内神社、大将軍神社、八尾神社、船間島神社などがあります。

主な行事

新田神社では、年間を通じて様々な祭事が行われます。

武射祭（1月7日）
早馬祭（春分の日）
御田植祭（入梅の日）
御神鏡清祭（7月28日）
御宝物虫干祭（8月7日）
例祭（9月15日）
御通夜祭（10月最終土曜日）

所蔵文化財

新田神社には、多くの文化財が所蔵されています。

重要文化財（国指定）：花鳥文様鏡、秋草蝶鳥鏡、柏樹鷹狩鏡、新田神社文書
* 鹿児島県指定有形文化財：社殿（本殿、拝殿、舞殿、勅使殿、両脇摂社）

現地情報

新田神社へのアクセスは、肥薩おれんじ鉄道の上川内駅から徒歩約17分、または川内駅から車やバスで約5分です。

まとめ

新田神社は、歴史と自然が調和した、神聖な場所です。可愛山陵を背に、天津日高彦火邇邇杵尊を主祭神として、多くの人々に崇敬されています。その美しい社殿や文化財、祭事を通じて、日本の歴史と文化を感じることができるでしょう。

もう一度検索