新総曲輪

新総曲輪：富山市の中枢を担う街

新総曲輪は、富山県富山市の中心部に位置する町名です。郵便番号は〒930-0006。富山駅南方にあり、北東が尖った四角形に近い形状をしています。北は内幸町と桜町、東は城址大通りを挟んで新桜町、南は松川を挟んで富山城址公園（本丸）、西はすずかけ通りを挟んで安住町と隣接しています。

新総曲輪の歴史：河川改修と都市開発

新総曲輪の歴史は、神通川の河道変更工事に遡ります。1902年（明治35年）から行われた河川改修と、1931年（昭和6年）からの富岩運河掘削によって発生した土砂を利用した大規模な埋め立て事業が、現在の新総曲輪を含む約32万5千坪の土地を形成しました。この埋め立て事業は、富山市の中心部を大きく変貌させる契機となりました。1935年には富山県庁舎本館が竣工し、行政の中心地としての役割を担うようになりました。1936年には河川跡の埋立地に複数の町が誕生し、新総曲輪もその一つとして成立しました。その後、1965年には新総曲輪と新桜町、表町の間で町域の変更が行われています。

交通アクセス：路面電車とバスの便

新総曲輪は、公共交通機関が充実しています。すずかけ通りには富山地方鉄道富山軌道線の路面電車が通り、最寄りの停留場は県庁前停留場（所在地は安住町）です。バス路線も整備されており、富山市内各地へのアクセスが容易です。自動車でのアクセスも良好で、主要道路である城址大通りとすずかけ通りが町域を貫いています。

新総曲輪の主要施設：行政機関と公共施設が集積

新総曲輪の中央部には、市役所前交差点から県庁前交差点への西行き一方通行の道路が走り、その南側に1935年竣工の富山県庁舎（富山県庁・富山県議会）がそびえ立っています。県庁舎周辺には、富山県警察本部、富山県民会館などの重要な公共施設が集中しています。道路の北側には、県庁前公園、NHK富山放送局、富山県農協会館などが位置し、行政、メディア、農業関連団体などが集まるエリアとなっています。

教育：学区について

新総曲輪の区域は、富山市内の市立小中学校の学区に含まれており、地域住民の子どもたちは、これらの学校に通学します。具体的な学区については、富山市教育委員会等にお問い合わせください。

まとめ：富山市の中枢を担う近代都市空間

新総曲輪は、神通川の改修と富岩運河の建設によって生まれた、計画的な都市開発によって形成された地区です。県庁や警察本部、放送局など重要な施設が集中し、公共交通機関も充実していることから、富山市の中枢を担うエリアとして重要な役割を果たしています。歴史的な経緯と現代的な都市機能が調和した、富山市を代表するエリアと言えるでしょう。 参考文献として、『角川日本地名大辞典 16 富山県』（角川書店、1979年10月8日）などが挙げられます。

もう一度検索