新藤健一

新藤健一（1943年 - ）は、日本のフォトジャーナリストであり、そのキャリアを通じて、社会の重要な出来事や問題に焦点を当ててきました。

略歴

東京で生まれた新藤は、東京写真短大（現在の東京工芸大学）を卒業後、共同通信社に入社し、ニュースカメラマンとしてのキャリアをスタートさせました。共同通信社時代には、帝銀事件・平沢貞通被告の獄中写真や、ダッカ日航機ハイジャック事件といった、社会を揺るがす大事件をスクープとして報道し、その名を広く知らしめました。写真部次長、編集委員を経て、2003年に共同通信社を退職しました。

退職後も、新藤は写真家としての活動を止めることなく、明星大学、東京工芸大学、立教大学で非常勤講師として教鞭を執る傍ら、フリーのフォトジャーナリストとして、精力的に取材活動を続けています。新石垣空港建設、東日本大震災、そして沖縄県名護市辺野古の新基地問題など、現代社会が抱える重要なテーマに深く関わり、その現状を写真を通じて伝えています。

著書

新藤は、写真に関する深い知識と洞察に基づいた著書を多数発表しています。これらの著書を通じて、写真の見方、映像が持つ力、そして写真が社会に与える影響について、読者に問いかけています。

『写真のワナ 新・写真の読み方』情報センター出版局 1984
『映像のトリック』1986 講談社現代新書　「崩壊する映像神話」ちくま文庫
『見えない戦争 あなたの隣の「危険」と「軍事」』情報センター出版局 1993
『写真のワナ ビジュアル・イメージの読み方』情報センター出版局 1994
『疑惑のアングル 写真の嘘と真実、そして戦争』平凡社 2006

共編著

新藤は、他の研究者や写真家との共同作業も積極的に行っています。慰安婦問題、沖縄の基地問題、そして広島・長崎の原爆など、歴史的、社会的に重要なテーマについて、写真を通じて深く掘り下げています。

『検証・ニコン慰安婦写真展中止事件 日韓対訳』責任編集 産学社 2012
『沖縄「辺野古の海」は、いま 新しい巨大米軍基地ができる 写真ドキュメント』編著 七つ森書館 2015
『広島原爆写真集 決定版』反核・写真運動 監修,小松健一共編 勉誠出版 2015
* 『長崎原爆写真集 決定版』反核・写真運動 監修,小松健一共編 勉誠出版 2015

新藤健一は、フォトジャーナリストとして、また著述家として、現代社会の様々な問題に光を当て、その本質を私たちに伝えています。彼の作品は、写真が持つ力、そして社会に対する責任を私たちに再認識させてくれます。

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