施肇基

施肇基について

施肇基（し ちょうき）は、清末及び中華民国時代の著名な外交官であり、政治家です。祖籍は浙江省杭州市で、字は植之と称されています。英語名としてはAlfred Sao-ke Szeが知られています。彼は、北京政府、国民政府の代表として、駐米公使や駐英公使を務め、中華民国の外交を大きく牽引しました。

幼少期と学問

施肇基は、父が挙人であり、絹の輸出によって裕福な家庭に育ちました。1886年には南京の江寧府同文館で英語を学び、その後聖ヨハネ学院で3年間過ごしました。1890年には国文学院に入学し、1893年には駐米公使・楊儒に随行してアメリカに渡りました。以降彼は、コーネル大学で学び、文学修士号を取得しました。

清末の活動

1902年に帰国後、施肇基は湖広総督に就任し、洋務文案や留米学生監督などの重要な任務を担いました。1905年には、憲政考察のための視察団に同行し、その後迅速に出世を遂げました。彼は、外務部にも携わり、辛亥革命の直前にはアメリカ公使に任命される予定でしたが、革命の影響でその計画は中止されました。

民初外交における活躍

民国成立後の初期、施肇基は唐紹儀の内閣で交通総長に任命されましたが、袁世凱の干渉により辞任を余儀なくされました。その後、駐英公使に任命され、1919年のパリ講和会議にも出席しました。この時、山東問題に対しては、ヴェルサイユ条約の調印を拒否する意見を支持する姿勢を見せました。1921年には駐米公使となり、ワシントン会議にも参加し、不平等条約の撤廃などを訴えましたが、成果には至りませんでした。

国民政府時代の活動

国民政府が成立すると、施肇基はその外交政策において重要な役割を果たした。彼は、北伐を支持し、中国への外国の介入を求めないよう連携を図りました。1931年には満州事変に対して怒りの声を上げ、国際連盟で日本の行動を非難しました。しかし、国内情勢の変化や世論に左右され、提案を撤回するなどの困難に直面しました。1935年には初代駐米大使に就任し、その後は日本との戦争に対しても支援活動を展開しました。

晩年の活動

施肇基は1945年に国際連合憲章制定会議において中国代表団の顧問を務めました。1948年には国際復興開発銀行の顧問委員でもありました。1958年にワシントンD.C.でこの世を去り、享年82歳という生涯を閉じました。施肇基の外交活動とその後の功績は、現代中国の国際関係に多大な影響を与えました。

参考文献

• - 羅幼娟『施肇基』中国社会科学院近代史研究所
• - 徐友春『民国人物大辞典 増訂版』河北人民出版社
• - 劉寿林編『民国職官年表』中華書局

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