日下義雄

日下 義雄の生涯と業績

日下義雄（くさか よしお）は、1852年（嘉永4年）12月25日に会津藩の侍医・石田龍玄の長男として生まれました。父の龍玄は内科医として名高く、特に貧しい人々への無償の医療で知られていました。母のちえ子は中村為七郎の娘であり、日下の幼名は五郎、初名は石田伍助でした。弟には白虎隊の一員であり、飯盛山で自刃した石田和助がいます。

日下は藩校の日新館で学び、歴史的な鳥羽・伏見の戦いに従軍。会津戦争では大鳥圭介と共に行動し、会津城の落城前に脱出。続いて箱館戦争にも参加しますが、捕虜として増上寺に謹慎。その際、石田義雄の名で呼ばれるようになり、後に出身地を隠すために日下義雄と改名しました。

明治4年（1871年）、井上馨の助けにより、岩倉欧米使節団に参加してアメリカへ留学。帰国後はヨーロッパを視察し、ロンドンで経済学を学びました。内務省でのキャリアを経て、1886年には長崎県令に就任し、後に知事に名称を改称します。

日下の長崎県知事在任中、彼は同郷の官吏である北原雅長を推挙して初代長崎市長にし、市の水道事業を完遂させました。また、清国水兵暴動事件に直面し苦慮する一方で、吉野桜を数千本植樹し観光名所を作り出し、さらに市と周辺地域での土葬を禁止するなど、保健衛生上の改革にも取り組みました。1889年に辞職するまで、彼は多くの人々の生活向上に寄与しました。

1892年8月20日、福島県知事に任命され、同県出身者としては初めての知事となります。その後、1895年には弁理公使（外国大使）にも任命されます。1897年、渋沢栄一らと共に岩越鉄道株式会社を設立し、民間資本の力で郡山から会津若松を結ぶ路線を開通させ、さらに1904年には喜多方まで延伸しました。

また、日下は1902年の衆議院議員総選挙に福島県郡部区から立候補し初当選。後に一度落選するも、1912年に再び福島県若松市区から立候補し当選し、衆議院議員として通算2期を務めました。彼は会津会の会員であり、稚松会の賛助員として地域の貴族としても活動しました。

日下の業績は、地域の発展や国の近代化に大いに貢献しました。彼は多方面での影響力を持ち、有名な政治家として歴史に名を刻んでいます。

彼の最晩年は大正12年（1923年）3月18日に訪れました。墓所は谷中霊園にあり、彼と共に民政局員を斬殺されて獄死した井深元治の墓も存在しましたが、立体埋蔵施設に改葬され、現在はその姿を見ることができません。

栄典

日下義雄は多くの名誉を受けており、1884年には従五位に、1892年には正五位、1896年には従四位に昇進しました。勲章も様々受け取り、1889年には大日本帝国憲法発布記念章、1894年には勲四等瑞宝章を賜りました。彼の功績は今も多くの人々に語り継がれています。

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