日台経済人の会

特定非営利活動法人日台経済人の会は、「にったいけいざいじんのかい」と読みます。この団体は、元陸上自衛官の阿尾博政氏（1930年生まれ）によって設立されました。阿尾氏は、かつて台湾の近代化に大きく貢献した軍事顧問団「白団」を率いた富田直亮氏のもとで秘書を務め、台湾に渡って諜報活動などに従事した経験を持っています。団体の設立にあたっては、富田氏の没後、白団が台湾に残した功績の記録を保存・継承すること、そして日本と台湾の間で政治、経済、学術、文化といった多岐にわたる分野での交流を深めることを主な目的として掲げています。

団体の活動は多岐にわたります。

主な活動実績

交流促進と要人支援
1997年1月、台湾のロイヤル台北ホテルにて、当時の総統であった李登輝氏の著書『台湾がめざす未来』の出版記念パーティーを開催しました。
2000年5月には、日本の自民党代表（当時）である綿貫民輔氏らとともに台湾を訪れ、陳水扁氏の総統就任を祝うとともに、就任式典にも参列しました。
2001年4月には、李登輝元総統が日本を訪問する際のビザ発給について協力を行い、約100名の自民党議員がこれに関与しました。
2001年8月、台湾の立法委員と日本の国会議員18名による「日台国会議員友好連盟」の設立に向けた協力を行いました。
2008年9月には、台北駐日経済文化代表処（事実上の在日台湾大使館）の代表に就任した馮寄台氏の歓送迎会を主催しました。
2012年5月にも、新たに代表に就任した沈斯淳氏を歓迎する会を開催しています。

災害支援と復興協力
2000年9月、台湾で発生した「921大地震」の際、日本の災害救助技術者派遣に協力し、被災地である台中県大里郷に簡易住宅120戸を建設する支援を実施しました。
2012年7月以降、東日本大震災の被災地復興支援に注力。日本貿易振興機構（JETRO）や復興庁と連携し、台湾からの訪問団を受け入れ、復興状況の説明会や対日投資促進セミナー開催に協力しました。
2012年8月からは、日本の復興庁と連携した本格的な東北被災地復興支援活動を開始しました。
2012年9月には、沖縄県での復興支援活動として、最終的な廃棄物リサイクル事業への協力を行いました。
2012年10月には、被災地における太陽光発電所建設への協力を行いました。
2012年12月からは、太陽光発電所建設事業を全国に展開しました。
2013年2月には、台湾における低レベル放射性廃棄物処理事業への協力を行いました。
2013年4月には、東日本大震災で被災された方々のための救援住宅建設事業に協力しました。

経済・産業協力
2006年11月、日本の農林水産省からの依頼を受け、台湾産バナナの日本への輸出拡大に向けた販売協力を行いました。
2014年1月には、韓国の農業協同組合（農協/NH）からの依頼に基づき、韓国産ウナギの日本への販売事業に協力しました。

文化・学術・地方交流
2001年10月、対極門親善文化訪問団の日本訪問を支援しました。
2002年6月には、台湾の台南市と日本の長崎県平戸市との友好活動を支援しました。
2003年4月、台湾における「日本の大学OB会」の設立を支援しました。
2014年8月には、「日本の古典美を愛でる」展覧会を開催。交流協会台北支部、日本人会、日本工商会などが後援し、日台間の友好と台湾への感謝を示す機会となりました。
2007年5月には、山口県で開催された児玉源太郎没後100年祭を支援しました。
2014年4月には、白団を率いた富田直亮閣下の没後35周年慰霊祭を開催し、白団の功績を顕彰しました。

提言活動
2006年2月には、台湾の総統府に対し、政策に関する提言書を提出しています。

役員構成

現在の主な役員は以下の通りです。

理事長：松尾伸也（一般社団法人在日スリランカ商工会議所 理事長）
副理事長：阿尾正典
* 名誉会長：阿尾博政（設立者）

この団体は、設立当初の目的である白団の記録保存と日台交流の促進に加え、時代の要請に応じた多様な活動を展開しており、特に近年は東日本大震災後の被災地復興支援にも積極的に取り組んでいます。日台間の架け橋として、経済、政治、文化など幅広い分野での相互理解と協力を深めることを目指しています。

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