日振島村

日振島村について

日振島村（ひぶりじまむら）は、かつて愛媛県の南予地方、北宇和郡に属していた村です。1958年（昭和33年）に周辺の村々と合併し、その歴史を閉じました。この村は、宇和海に浮かぶ日振島とその周辺の島々から構成されており、漁業が盛んな地域でした。

地理

日振島村は、宇和島港から西へ約10里（約40キロメートル）の海上に位置する日振島を中心に、沖の島、竹ヶ島、横島などの島々から成り立っていました。これらの島々のうち、人が住んでいたのは日振島のみでした。日振島は、その美しい自然と豊かな漁場に恵まれていました。

村名の由来

「日振」という名前は、平安時代の古文書にも見られるほど古い歴史を持っています。この名前の由来については、日振島の記事で詳しく解説されています。

歴史

藩政期

日振島村は、宇和島藩の支配下にありました。この地域では、清家氏が代々庄屋を務め、地域の行政を担っていました。

明治以降

1889年（明治22年）12月15日、町村制が施行された際に、日振浦一村がそのまま日振島村となりました。この時、日振島村は新たな自治体としてのスタートを切りました。

1949年（昭和24年）には、デラ台風の直撃により、漁業に大きな被害を受けました。この台風で、鰯網漁をしていた多くの漁船が遭難し、100名以上もの犠牲者を出す大惨事となりました。

1954年（昭和29年）、離島振興法の適用を受けることで、日振島村の生活環境改善が始まりました。しかし、昭和30年代に入ると、耕作放棄地の増加と過疎化が急速に進みました。

1958年（昭和33年）4月1日、昭和の大合併により、日振島村は下波[[村]]、蔣淵村、遊子村、戸島[[村]]と合併し、新たに宇和海村が発足しました。この合併により、日振島村は自治体としての歴史に幕を閉じました。

日振島村の系譜

以下に日振島村を含む地域の変遷を示します。


（町村制実施以前の村）　（明治期）

　　　　　　　　　　　　　町村制施行時　　　　　昭和の合併　　　　　　　　　　平成の合併
下波浦　━━━━━　下波[[村]]　━━┓
蔣淵浦　━━━━━　蔣淵村　━━┫　（昭和33年4月1日合併）
遊子浦　━━━━━　遊子村　━━╋━━━━　宇和海村　━┓
戸島浦　━━━━━　戸島[[村]]　━━┫　　　　　　　　　　　┃
日振浦　━━━━━　日振島村　━┛　　　　　　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃（昭和49年4月1日編入）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　宇和島市━━┻━━━━━━━━┓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三間町━━━━━━━━━━━━╋━━宇和島市
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　吉田町━━━━━━━━━━━━┫（平成17年8月1日合併）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　津島町━━━━━━━━━━━━┛


（注記）宇和島市、三間町、吉田町、津島町の平成の合併以前の系譜については、それぞれの記事を参照のこと。

地域

日振島村には大字は存在せず、能登、明海（あこ）、喜路の3つの地区に分かれていました。これらの地区は、一つの島の中でありながら、それぞれ2,3キロメートルずつ離れていました。

参考文献

角川書店『角川　日本地名大辞典38愛媛県』1981年

関連項目

愛媛県の廃止市町村一覧

外部リンク

愛媛県北宇和郡日振島村 (38B0130027) | 歴史的行政区域データセットβ版 - Geoshapeリポジトリ

日振島村は、その短い歴史の中で、自然の脅威に晒されながらも、住民たちは強く生き抜いてきました。現在は宇和島市の一部として、その名を歴史に刻んでいます。

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