日本とカンボジアの関係

日本とカンボジアの関係は、1953年の外交関係樹立に始まり、両国間の交流は多岐にわたります。ここでは、両国関係の歴史、経済、援助、外交使節について詳しく解説します。

歴史

1953年1月、日本とカンボジアは正式な外交関係を樹立しましたが、1975年のポル・ポト政権発足により両国の大使館は閉鎖されました。その後、1992年に在カンボジア日本国大使館が再開され、1994年12月には駐日カンボジア王国大使館も活動を再開し、両国関係は正常化に向かいました。

以前、赤坂にあったカンボジア大使館は、縮小計画に伴い1974年に日本の不動産業者に売却されました。しかし、その後にクメール共和国が消滅したため、旧政権に支払われた代金が回収不能になるという問題も発生しました。

貿易

2023年時点での貿易額は、日本からカンボジアへの輸出額が2,692億円、カンボジアから日本への輸入額が704億円となっています。日本の主要な輸出品は建設機械、車両、バイク、肉類、織物用糸や繊維製品機器などです。一方、カンボジアからは衣類、履物、革製品などが主に輸出されています。

カンボジアへの日本の投資は、政府開発援助（ODA）関連の商社や建設会社が中心でしたが、近年では、ヤマハ発動機（オートバイ）、スズキ、ミネベアなどの車両製造業、プノンペン商業銀行やアジア・インシュアランスなどの金融・保険業、味の素、ヤクモF&Bなどの食品産業など、幅広い分野に拡大しています。

援助

日本は1992年以降、政府開発援助（ODA）を通じてカンボジアの開発を支援しており、2010年時点で19.6億ドル（対カンボジアODA総額の18％）を援助しています。これにより、日本はカンボジアにとって最大の開発援助国となっています。

自衛隊は、カンボジアへの海外派遣を行い、地雷除去などの支援活動を実施しています。また、2007年6月には、日本とカンボジアの間で投資の自由化や促進を目的とした日カンボジア投資協定が締結されました。

日本は地雷除去や教育分野での援助を積極的に行っており、1993年にはアンコール遺跡救済国際会議を東京で開催し、以降、アンコール遺跡保存修復国際調整委員会（ICC）でフランスと共に共同議長を務めています。

さらに、日本の援助によって、1963年にカンボジア日本友好橋、2001年にきずな橋、2015年にはつばさ橋が建設されました。2014年に発行されたカンボジアの500リエル札には、きずな橋とつばさ橋が日章旗と共に描かれています。

外交使節

現在、日本はプノンペンに在カンボジア日本国大使館を、カンボジアは東京に駐日カンボジア王国大使館を設置しています。

在日カンボジア大使館

住所：東京都港区赤坂八丁目6-9
アクセス：東京メトロ銀座線・半蔵門線/都営地下鉄大江戸線青山一丁目駅4番出口

歴代の在日カンボジア大使には、以下のような人物がいます。

ノロドム・カントール（公使、1954～1955年）
コン・R・L・ウォンサニット（臨時代理公使、1955年、臨時代理大使、1955年）
ニエク・トゥロン（大使、1955～1957年）
ソー・トゥン・ルン（臨時代理大使、1957年）
オン・チャン・ゴン（臨時代理大使、1957～1958年）
シム・ヴァル（大使、1958～1964年、1970～1974年）
イン・ジュデット（臨時代理大使、1964年）
イアット・ブートゥン（臨時代理大使、1964年、1964～1970年）
チア・ブーン・ルン（臨時代理大使、1964年）
クン・ウイック（大使、1964～1970年、1974～1975年）
メアス・チャン・リープ（ソン・サン派駐日代表、1990年頃）
トゥロン・メアリー（大使、1994～1999年）
イン・キエト（大使、1999～2005年）
プー・ソティレアッ（大使、2005～2009年）
ハオ・モニラット（大使、2009～2015年）
チャウ・ソティラ（臨時代理大使、2015年）
チア・キムター（大使、2015～2018年）
スイ・テック（臨時代理大使、2018年）
ウン・ラチャナ（大使、2018～2021年）
サオ・コラディン（臨時代理大使、2021～2022年）
* トゥイ・リー（大使、2022年～）

まとめ

日本とカンボジアの関係は、政治、経済、文化など多岐にわたる分野で緊密であり、日本はカンボジアの発展に重要な役割を果たしています。両国は互いに協力し、より良い未来を築いていくことが期待されます。

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