日本とグアテマラの関係

日本とグアテマラは、第二次世界大戦中の一時的な断交を除き、長年にわたり友好関係を維持しています。この両国関係は、歴史、経済、文化など多岐にわたる側面から見ることができます。

歴史

グアテマラへの最初の日本人移民は、1870年代に写真家としてアンティグア市で活躍した屋須弘平でした。彼はグアテマラにおける最初期の日本人移民であり、写真家としても重要な記録を残しました。1893年には、ハワイでの労働契約を終えた132名の日本人がグアテマラに移住しましたが、厳しい労働条件などから、その後の移住は進展しませんでした。

1935年2月20日に両国は正式に外交関係を樹立。当初、在メキシコ日本帝国公使館が在グアテマラ日本帝国公使館を兼轄していましたが、1941年12月9日、第二次世界大戦によりグアテマラが日本に宣戦布告し、外交関係は一時中断しました。戦後の1954年9月23日にグアテマラがサンフランシスコ平和条約を批准し国交が回復、1955年7月1日に在メキシコ日本国大使館の兼轄として在グアテマラ日本国公使館が復活しました。1964年3月20日には公使館が大使館に昇格し、1967年1月27日には在グアテマラ日本国大使館が実館として開設され兼轄は解消されました。一方、日本に駐日グアテマラ大使館が開設されたのは1964年でした。

2018年には、フエゴ山の噴火によりグアテマラは甚大な被害を受けました。この災害に対し、日本政府は緊急支援を実施しています。

要人往来

2001年5月には、グアテマラのアルフォンソ・ポルティージョ大統領が訪日し、当時の小泉純一郎総理大臣と首脳会談を行い、両国関係の強化が図られました。その後も、2005年8月にオスカル・ベルシェ大統領、2010年10月にはアルバロ・コロン大統領が訪日し、首脳会談が行われています。2019年には、ジミー・モラレス大統領が即位の礼で訪日し、安倍晋三首相と会談しました。グアテマラ側からは、日本の経済支援に対する感謝が述べられています。

日本からは、総理大臣のグアテマラ訪問は実現していませんが、大統領就任式には特派大使を派遣し、友好関係をアピールしています。1991年の小渕恵三氏から、2020年の山口泰明氏まで、多くの特派大使が派遣されています。

経済交流

日本はグアテマラにとって主要な開発援助国であり、2018年までの援助実績は1100億円を超えています。特に、水関連のインフラ整備や災害支援に重点を置いています。2011年の東日本大震災時には、グアテマラ政府から食料や飲料水などの支援物資が送られました。

2004年には、日本の支援により国立プエルトバリオス病院が建設されました。貿易では、グアテマラの対日輸出額が輸入額を大きく下回る状況ですが、グアテマラは日本にとってコーヒー、ゴマなどの重要な供給国となっています。一方で日本は鉄鋼や自動車を輸出しています。

科学技術分野では、グアテマラ初の超小型人工衛星「ケツァル1」が、日本の国際宇宙ステーション（ISS）から放出されたことが特筆されます。このプロジェクトには、宇宙航空研究開発機構（JAXA）も協力しました。

文化交流

グアテマラにかつて栄えたマヤ文明は日本で高い人気を誇り、博物館でマヤ文明展が開催されています。考古学的な交流も盛んであり、マヤ文明を研究する日本人研究者も多数存在します。一方、グアテマラでは、国立サン・カルロス大学などで日本語教育が行われ、日本のポップカルチャーが若者を中心に広まっています。

また、両国ともに野球とサッカーが人気スポーツであることから、スポーツを通じた交流も盛んです。

外交使節

両国間には、大使館が設置されており、それぞれの大使・公使が外交活動を行っています。

駐グアテマラ日本大使・公使

（省略）

駐日グアテマラ大使・公使

過去には、台北の在中華民国公使館が日本を兼轄していた時期もありました。

ロドルフォ・エスピノサ・サンチェス（台北常駐、1960～1961年）
ウンベルト・ビスカイノ（台北常駐、1961～1963年）
ラミロ・ヘレダ・アストゥリアス（台北常駐、1963～1964年）
カルロス・エンリケ・モリナ・ムニョス（1964～1968年）
ラファエル・コントレラス・サラビア（1968～1970年）
カルロス・エンリケ・モリナ・ムニョス（再任、1970年～）
ホセ・アルベルト・サンドバル・コフルン（1984～1986年）
（臨時代理大使）マヌエル・エバンドロ・パロモ・ペラルタ（1989年以前～）
フリオ・アルベルト・メリダ・カステジャーノス（～1990年）
？？？？（1990～1993年、信任状捧呈は9月28日）
フェルナンド・ゴンサレス・ダビソン（1994～1997年、信任状捧呈は7月11日）
ホセ・マリア・アルゲタ・シフエンテス（1997～2000年、信任状捧呈は11月6日）
アントニオ・ロベルト・カステジャーノス・ロペス（2000～2003年、信任状捧呈は7月27日）
（臨時代理大使）ベロニカ・レティシア・グラヘダ・カスティージョ（2003年）
アルトゥロ・ロメオ・ドゥアルテ・オルティス（2003～2008年、信任状捧呈は8月4日）
バイロン・レネ・エスコベド・メネンデス（2008～2014年、信任状捧呈は5月20日）
（臨時代理大使）クリストバル・アダルベルト・エレラ・ドゥボン（2014～2015年）
アンヘラ・マリア・デ・ロウルデス・チャベス・ビエティ（2015～2019年、信任状捧呈は10月19日）
（臨時代理大使）ディエゴ・アレハンドロ・ウビコ・アギラル（2019年）
クリストバル・アダルベルト・エレラ・ドゥボン（臨時代理大使と同一人物、2019～2022年、信任状捧呈は8月8日）
（臨時代理大使）ディエゴ・アレハンドロ・ウビコ・アギラル（2022年）
マヌエル・エストゥアルド・ロルダン・バリジャス（2022年～、信任状捧呈は2023年4月19日）

脚注

(省略)

参考文献

グアテマラ共和国（Republic of Guatemala）基礎データ　外務省
桜井三枝子『グアテマラを知るための67章【第2版】 (エリア・スタディーズ61)』 2018/7/10

外部リンク

在グアテマラ日本国大使館
在グアテマラ日本国大使館（スペイン語）

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