オスカル・ベルシェ

オスカル・ベルシェ・ペルドモ：グアテマラの政治家

オスカル・ベルシェ・ペルドモ（Óscar José Rafael Berger Perdomo、1946年8月11日 - ）は、グアテマラの政治家であり、グアテマラシティ市長（1991-1996年）およびグアテマラの大統領（2004-2008年）を務めました。

経歴

ベルシェは、ベルギーからの移民を祖父に持つヨーロッパ系のブルジョア家庭に生まれました。ラファエル・ランディバル大学で法学・社会学部を卒業後、グアテマラの軍人独裁時代が終わると、大学の同級生であったアルバロ・アルスとともに政界に進出。「国民進歩計画」市民団体（後の国民進歩党(PAN)）を組織しました。

1985年の選挙でアルスがグアテマラシティ市長に当選すると、ベルシェは市会議員を務め、1990年11月の選挙で後継の市長に選出されました。1991年1月から1999年6月までグアテマラシティ市長を2期務め、その間、1996年にはアルスが大統領に就任しました。

1999年6月27日、ベルシェはアルスの後継の大統領候補として国民進歩党に指名されましたが、1999年11月の大統領選でアルフォンソ・ポルティージョに敗れました。

大統領として

2002年、ベルシェは国民大連合(GANA)に参加。翌年11月の大統領選でGANAから出馬し、34%の票を獲得して当選し、2004年1月14日に大統領に就任しました。

ベルシェは大統領として、ノーベル平和賞受賞者のリゴベルタ・メンチュウを政府親善大使に採用。また、1996年のグアテマラ内戦和平合意の一部である、国際連合の支援するグアテマラ無処罰問題対策国際委員会(CICIG)を設立しました。

2005年には日本・中米首脳会談のために他の中米諸国の首脳とともに訪日しています。

ベルシェは大統領在任中、アルフォンソ・ポルティージョ前政権による大規模な汚職を調査し、10億ドル以上が国庫から失われたことを明らかにしました。そして、前政権の多数の汚職犯を投獄しました。ポルティージョ本人はメキシコに滞在していたため、ベルシェの任期中には逮捕できませんでしたが、後にグアテマラに引き渡され、アメリカ合衆国で資金洗浄の有罪判決を受けました。

ベルシェの経済政策は、アルスと同様に新自由主義的であり、政府のサービスやプロジェクトを民間に委ねました。また、多国籍コングロマリットの鉱業権を保護し、中米自由貿易協定を批准しました。

しかし、ギャングによる犯罪の問題は解決できず、2005年には農村がハリケーン・スタンの大きな被害を受けたものの、政府による復興の動きは遅く、ベルシェの指導力不足を露呈しました。

その後

2007年11月の大統領選で国民希望党(UNE)のアルバロ・コロンが当選し、2008年1月14日に次期大統領に就任しました。

ベルシェの政治家としての功績と課題は、グアテマラの現代史において重要な位置を占めています。

もう一度検索