日本とコモロの関係

日本とコモロの関係

日本とコモロの関係は、1977年の日本の国家承認に始まり、外交、経済、文化など多岐にわたる分野で交流が行われています。コモロは、グランドコモロ島、アンジュアン島、モヘリ島の三島からなる国で、独立当初は政治的な混乱も見られましたが、日本との国交は維持されています。

歴史

1975年にコモロは独立しましたが、当初はマヨット島の処遇問題やクーデターなど、政治的に不安定な状況でした。日本は、コモロの独立を直ちに承認せず、1977年11月14日に国家承認を行いました。その後、コモロは「コモロ・イスラム連邦共和国」を経て現在のコモロ連合となるなど、政治体制は変化を続けています。現在も軍出身のアザリ・アスマニ大統領が政権を担うなど、不安定な要素はありますが、日本との関係は維持されています。

日本の在コモロ大使館は、在マダガスカル日本国大使館が兼轄しています。一方、駐日コモロ大使館は未設置であり、2014年からは北京にある在中コモロ大使館が日本を兼轄しています。2018年6月には在東京コモロ名誉領事館が開設されました。

外交

コモロ要人の訪日

コモロからは、大統領をはじめとする多くの要人が日本を訪れています。2008年5月には、アフメド・アブドラ・モハメド・サンビ大統領が訪日し、福田康夫首相との首脳会談で経済支援再開について話し合われました。2013年6月には、イキリル・ドイニン大統領がアフリカ開発会議のために訪日し、安倍晋三首相と首脳会談を行いました。2019年8月には、アザリ・アスマニ大統領がアフリカ開発会議のために訪日し、安倍晋三首相と首脳会談を行い、「自由で開かれたインド太平洋」構想や安保理改革、北朝鮮情勢などについて意見交換を行いました。

大統領以外にも、2018年1月から2月にかけてモハメド・エル・アミン・スエフ外務大臣が、2018年10月にはジュモア・サイード・アブダッラー国際協力担当閣外大臣が、2020年1月にはタキディヌ・ユスフ国際協力担当閣外大臣が訪日し、日本の外務大臣や副大臣と会談を行い、両国関係の促進や日本の対コモロ支援について話し合いました。

日本要人のコモロ訪問

地理的な距離や歴史的接点の少なさ、コモロ側の情勢不安などから、日本からの要人訪問は少ない状況です。2018年には、佐藤正久外務副大臣が初めてコモロを訪問し、アザリ・アスマニ大統領と会談しました。「自由で開かれたインド太平洋」構想について意見交換を行ったほか、コモロの経済支援について議論されました。

経済交流

日本はコモロに対して、技術協力や無償資金協力合わせて100億円以上の経済支援を実施しています。特に、島嶼国であるコモロにとって重要な産業である水産分野において、人材育成のための技術協力「国立水産学校能力強化プロジェクト」が2011年から2014年にかけて実施されました。また、食糧援助も数度にわたり実施されています。

2020年のコモロの対日貿易は、輸出0.18億円に対し輸入2.01億円と、コモロ側の赤字となっています。貿易規模は小さいですが、主要な輸出品は精油、輸入品は機械類となっています。

文化交流

コモロ近海では、シーラカンスの学術調査が民間ベースで複数回行われています。鳥羽水族館も調査に協力し、コモロ政府の協力のもと、シーラカンスの標本を持ち帰るとともに、水中撮影に成功しました。また、2021年7月には、長野県小諸市市議会の代表が在日コモロ連合名誉領事館を訪問し、コモロのオリンピック選手団にポロシャツを提供しました。これは、小諸市市議会代表が東京オリンピックの開会式でコモロ諸島の存在を知ったことがきっかけです。

外交使節

駐コモロ日本大使：在マダガスカル日本大使が兼轄
駐日コモロ大使：
マフムード・ムハンマド・アッブード（北京常駐、2014年 - 2023年）：初代駐日コモロ大使として2014年7月に信任状を捧呈。普段は北京に駐在。
マウラナ・シャリフ（北京常駐、2023年 - ）

まとめ

日本とコモロの関係は、歴史的なつながりは浅いものの、近年は外交、経済、文化の面で交流が深まっています。特に、日本からの経済支援はコモロの発展に貢献しており、今後も両国間の協力関係が継続することが期待されます。

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