日本とデンマークの関係

日本とデンマークの関係

日本とデンマークは、1867年の日丁修好通商航海条約締結以来、外交関係を築いてきました。第二次世界大戦中には一時的に断絶しましたが、1952年に国交を回復し、現在に至るまで友好な関係を継続しています。東京には約500人のデンマーク人が在住しており、両国間には活発な交流が見られます。

交流の歴史

両国間の接触は、17世紀初頭のデンマーク東インド会社の設立にまで遡ります。本格的な交流は、1867年の日丁修好通商航海条約の締結から始まりました。この条約は、徳川幕府が外国と結んだ最後の条約となりました。

1871年には、岩倉使節団が不平等条約改正交渉のためにデンマークを訪問し、クリスチャン9世国王に謁見しました。使節団の一員であった久米邦武は、帰国後、『特命全権大使米欧回覧実記』の中でデンマークを紹介しています。

1895年には、日本・デンマーク通商航海条約が締結され、両国間の貿易関係が強化されました。また、民間レベルでも交流が進み、1874年にはデンマーク人技師フレデリック・クレブスが三菱に入社し、炭鉱開発に貢献しました。

文化面では、森鷗外がアンデルセンの『即興詩人』を翻訳し、日本の読者にデンマーク文学を紹介しました。1900年にはヴァルデマー王子が来日し、皇室との交流が始まりました。デンマークの農業技術は、日本の農村に大きな影響を与え、養鶏業の復興に貢献した事例もあります。

20世紀初頭には、内村鑑三がデンマークの植林事業を紹介し、台湾総督府の東郷実がデンマークの農業改革を高く評価しました。また、加藤完治がフォルケホイスコーレを参考に日本国民高等学校を設立し、松前重義が東海大学の母体となる私塾を開設するなど、デンマークの教育制度も日本の教育界に影響を与えました。

1923年には、エミール・フェンガ一家が北海道庁に招かれ、デンマーク式酪農を指導しました。1926年には、デンマークの軍人たちがコペンハーゲンと東京間の飛行に成功し、両国間の友好関係を象徴する出来事となりました。

貿易関係

両国間の貿易は、1988年には20億ドルに達しました。日本からデンマークへは、乗用車、バイク、コンピューターなどが輸出され、デンマークから日本へは、豚肉、エビ、チーズ、医薬品などが輸出されています。また、レゴやノボノルディスクなどのデンマーク企業が日本に進出しており、両国間の経済関係はますます密接になっています。

皇室・王室の交流

日本皇室とデンマーク王室の間には、長年にわたり親密な交流があります。1900年にヴァルデマー王子が来日したのを皮切りに、皇太子明仁親王（当時）のデンマーク訪問、マルグレーテ2世女王の国賓としての来日など、数多くの相互訪問が行われてきました。2011年には、フレデリク皇太子が東日本大震災の復興支援のために日本を訪問するなど、両国の皇室・王室間の友好関係は、両国関係の重要な柱となっています。

外交使節

在日デンマーク大使館は、東京都渋谷区に所在しており、在デンマーク日本国大使館は、コペンハーゲンのHavneholmenにあります。両国は、大使館を通じて外交関係を維持し、両国間の協力関係をさらに深めています。

歴代の駐日デンマーク大使は、以下の通りです。

ジョシム・ヘンリック・ゲオ・ツイトフン＝アデーラー（1967年～）
ティーエ・ダルゴー（1972年～）
ピーター・ブルックナー（1997年～）
（2001年～）
フレディ・スヴェイネ（2005～2008年）
フランツ＝ミカエル・スキョル・メルビン（2008～2011年）
アナス・カーステン・ダムスゴー（2011～2015年）
フレディ・スヴェイネ（再任、2015～2019年）
（臨時代理大使）マーティン・ミケルセン（2019年）
ピーター・タクソ＝イェンセン（2019～2024年）
* （臨時代理大使）マヤ・ソフィー　ブアゴー（2024年～）

まとめ

日本とデンマークは、政治、経済、文化、教育など幅広い分野で協力関係を深めており、今後も両国間の友好関係が発展していくことが期待されます。

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