日本とブルガリアの関係

日本とブルガリアの二国間関係

日本とブルガリアは、19世紀末から公式な関係を築いてきました。第一次世界大戦では敵対関係となりましたが、直接的な交戦はありませんでした。第二次世界大戦中に一時国交が断絶しましたが、1959年に国交を回復し、現在に至るまで良好な関係を維持しています。

歴史

19世紀末から始まった両国関係は、第一次世界大戦で一時的に敵対関係となりました。日本は連合国側として、ブルガリアが参加したヌイイ条約にも関与しています。1939年には相互に公使館が開設されましたが、第二次世界大戦中にブルガリアが枢軸国から離脱したことで国交は一時断絶しました。しかし、1959年には国交が回復し、その後は友好的な関係が続いています。

社会主義体制下のブルガリアは親日的であり、冷戦下においても両国は敵対することなく良好な関係を維持しました。1970年の大阪万博には当時の最高指導者トドル・ジフコフが来日し、日本の発展に感銘を受けました。その後、ブルガリア国内には日本ロビーが形成され、経済協力が期待されるようになりました。1989年の民主化以降も、ブルガリアからの要人来日が続いています。

現況

2012年には、日本からブルガリアへの入国者数は11,148人に達し、そのうち9,302人が観光目的でした。2020年時点では、ブルガリア在住の日本人は176名、日本在住のブルガリア人は454名です。両国間では短期滞在におけるビザ免除措置が適用されており、6ヶ月間で90日以内の滞在であればビザは不要です。ブルガリアはシェンゲン協定に部分的に参加していますが、国境管理の撤廃は未だ実施されていません。2014年6月現在、両国間には直行便は運航されていません。

ブルガリア大使館は東京都渋谷区にあり、ボリスラフ・コストフ氏が特命全権大使を務めています。一方、日本大使館はソフィアにあり、2012年9月に小泉崇氏が特命全権大使として着任しました。

経済

2013年の日本の対ブルガリア輸出額は69億円で、主な輸出品は原動機、農業機械、重電機器です。一方、ブルガリアから日本への輸出額は113億円で、主な輸出品は衣類、バッグ類、医薬品です。EU加盟以降、相対的に日本の影響力は低下していますが、2006年には矢崎総業が自動車部品産業に進出し、ソフィアに日本企業による先端医療設備を備えた総合病院が開業しました。また、カリアクラでは京都議定書に基づいた風力発電所が建設されるなど、日本企業による投資が進んでいます。

文化・スポーツ

ブルガリアでは日本文化への関心が高く、相撲、剣道、茶道、漫画・アニメ、俳句など、さまざまな文化交流団体が活動しています。日本ではブルガリアがバラの国として知られており、1990年の国際花と緑の博覧会や2005年の愛知万博では、ブルガリア政府がバラをテーマにした出展を行いました。スポーツ界では、サッカーブルガリア代表のフリスト・ストイチコフやイリアン・ストヤノフらがJリーグで活躍し、日本からは松井大輔らがブルガリアリーグでプレーしています。また、琴欧洲をはじめとするブルガリア出身の力士も注目を集めています。

明治ブルガリアヨーグルト

日本でブルガリアの名前が広く知られるようになったきっかけの一つに、明治ブルガリアヨーグルトがあります。1970年の大阪万博で出展されたヨーグルトに感銘を受けた明治乳業（現 株式会社明治）が、1971年に「明治プレーンヨーグルト」として販売を開始しました。1973年にはブルガリア政府から商品名に国名を冠する正式許可と技術提携を受け、商品名を「明治ブルガリアヨーグルト」に改めました。この製品を通じて両国の文化・経済交流に貢献したとして、明治乳業の役員4名がブルガリア政府から勲章「マダラの騎士」を受章しています。

姉妹都市

両国間では、1972年5月12日に締結した岡山市とプロヴディフ市が唯一の正式な姉妹都市関係を持っています。また、広島県福山市もバラを通じてブルガリアと交流しており、1997年にNPO法人福山ブルガリア協会が発足しました。2008年には、神奈川県横浜市保土ケ谷区とソフィア市の間で「文化・教育・スポーツ等パートナー都市協定」が締結されました。

外交使節

在ブルガリア日本大使・公使

(割愛)

駐日ブルガリア大使館

住所: 東京都渋谷区代々木五丁目36-3
アクセス: 小田急小田原線代々木八幡駅北口、もしくは東京メトロ千代田線代々木公園駅1番出口

在日ブルガリア大使・公使

在日ブルガリア公使:
ヤンコ・ペエフ（1942～1944年）
ストヤン・ペトロフ＝チョマコフ（1944～1945年）
1945年から1960年は、日本への駐箚なし
フリスト・ボエフ（1960～1962年）

在日ブルガリア大使:

フリスト・ズドラフチェフ（1964年～）
ナチョ・パパゾフ（1967～1971年、信任状捧呈は9月18日）
パルヴァン・チェルネフ（1972年～、信任状捧呈は1月28日）
ルーメン・セルベゾフ（1974～1979年、信任状捧呈は6月7日）
アンゲル・アンゲロフ（1982～1986年）
ペタル・バシカロフ（1986～1990年）
？？？？（1991～1995年、信任状捧呈は5月10日）
バレンティン・ガツィンスキー（1995～1998年、信任状捧呈は5月18日）
ペータル・ディミトロフ・アンドノフ（1998～2003年、信任状捧呈は9月21日）
ブラゴヴェスト・センドフ（2003～2009年、信任状捧呈は12月19日）
（臨時代理大使）ヴェラ・ステファノヴァ（2009～2010年）
リュボミル・トドロフ（2010～2012年、信任状捧呈は2月12日）
（臨時代理大使）ユリヤナ・アントノヴァ＝ムラタ（2012年）
ゲオルギ・ヴァシレフ（2012～2016年、信任状捧呈は11月28日）
（臨時代理大使）オレグ・ドイチノフ（2016年）
ボリスラフ・コストフ（2016～2021年、信任状捧呈は2017年1月18日）
（臨時代理大使）カリナ・ルボミロヴァ・ダミアノヴァ（2021年）
マリエタ・ペトロヴァ・アラバジエヴァ・デ・デスカルシー（2021年～、信任状捧呈は4月14日）

脚注

(割愛)

外部リンク

在ブルガリア日本国大使館
各国・地域情勢 ブルガリア（日本国外務省）
* 日本ブルガリア協会

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