日本とマラウイの関係

日本とマラウイの関係

日本とマラウイの関係は、1964年7月のマラウイ独立と同時に外交関係が樹立されたことに始まります。当初、日本は在ケニア大使館がマラウイを兼轄していましたが、1989年に在ザンビア大使館に、そして2008年には首都リロングウェに大使館を開設しました。一方、マラウイは1992年に東京に大使館を開設しています。

歴史

1964年、マラウイがローデシア・ニヤサランド連邦から独立した際、日本は直ちに同国を承認し、外交関係がスタートしました。1992年には、マラウイが東京に大使館を開設し、両国間の関係がより一層深まりました。

当初、在マラウイ日本大使館は在ケニア日本大使館が兼轄していましたが、1989年には在ザンビア日本大使館へと変更され、2008年1月には首都リロングウェに大使館が開設されました。

日本は1971年からODAの一環として青年海外協力隊をマラウイに派遣しており、2020年までに派遣された隊員数は1800名を超え、世界で最も多くの隊員が派遣された国となっています。また、1983年には帰国隊員のOB・OG会が発展し、民間レベルでの両国間の架け橋となる日本マラウイ協会が設立されました。

現況

近年、大臣級のマラウイ要人の訪日はありませんが、2017年には日・AU友好議員連盟がマラウイを訪問するなど、日本とマラウイはアフリカの中でも比較的緊密な関係を築いています。

マラウイ側は、第三回アフリカ開発会議に当時のバキリ・ムルジ大統領が訪日し、大分県での地域振興プロジェクトである「一村一品運動」がマラウイに導入されるきっかけとなりました。その後、2006年と2008年にはビング・ワ・ムタリカ大統領が訪日し、当時の小泉純一郎首相と首脳会談を行い、マラウイへの積極的な支援と協力関係を確認しています。2013年にはジョイス・バンダ大統領が訪日し、アフリカ開発会議に出席したほか、安倍晋三首相との首脳会談で、マラウイで活躍する青年海外協力隊員への感謝が伝えられました。

日本は、2017年までにマラウイに対して累計80億円を超える援助を実施しており、首都リロングウェや第二の都市ブランタイヤ周辺の送電・水道・交通インフラの整備、食糧援助、技術提供、教育支援、マラリア対策などを支援しています。しかし、マラウイの主要援助国はアメリカ、イギリス、ノルウェー、ドイツなどであり、日本の援助額は上位ではありません。

ただし、日本は多数の青年海外協力隊員を派遣しており、開発援助への貢献度は高いと言えます。貿易面では、2019年に日本の輸出額が29.8億円であったのに対し、輸入額は13.5億円と、日本の黒字となっています。主な輸出品は鉄鋼製品や輸送機械（主に自動車）で、輸入品は葉タバコやコーヒーなどです。

文化交流は、日本マラウイ協会が中心となり、機関紙『KWACHA』の発行などを通じて両国の友好を促進しています。同協会は、多数の青年海外協力隊員が派遣されたマラウイを「日本の一番近いアフリカ」と称しています。

外交使節

駐マラウイ日本大使館と駐日マラウイ大使館がそれぞれの国に設置され、両国間の外交活動を円滑に進めています。

歴代駐日マラウイ大使

ジマニ・カザミラ（1992～1994年）
ティプ・アイゼック・ムチミカ・バレタ（1995～1998年）
ブライト・シャドゥリック・ミレニ・マングラマ（1999～2002年）
エフレム・ゼフナス・チリマ（臨時代理大使、2002年）
ジェームス・ジョン・チカゴ（2002～2005年）
ルーズベルト・ラストン・ゴンドゥエ（2005～2010年）
グレース・B・カロンガ（臨時代理大使、2010～2011年）
ルベン・ングウェニャ准将（2011～2016年）
ローズマリー・カンユカ（臨時代理大使、2016年）
グレネンガー・キドニー・ムスリラ・バンダ（2016～2021年）
ベントレー・ナマサス（臨時代理大使、2021年）
ジョセフ・インクリース・チクウェンバ（臨時代理大使、2021～2022年）
クワチャ・チシザ（2022年～）

参考文献

外務省: マラウイ共和国（Republic of Malawi）基礎データ
栗田 和明著: 『マラウィを知るための45章【第2版】』 (エリア・スタディーズ36) 2010/11/30

関連項目

日本の国際関係
マラウイの国際関係
駐日マラウイ大使館
在日マラウイ人

外部リンク

在マラウイ日本国大使館
* 駐日マラウイ共和国大使館

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