日本とマリの関係

日本とマリの関係

日本とマリは、地理的に遠く離れており、文化的な接点も少ないですが、友好的な関係を築いています。両国は、政治、経済、文化など、多岐にわたる分野で交流を行っています。

両国の比較

日本は東アジアに位置する先進国であり、一方のマリは西アフリカに位置する後発開発途上国です。経済的な格差は大きく、治安面でも課題を抱えています。マリでは、北部・中部を中心に武装勢力が台頭しており、2021年にはクーデターが発生するなど、民主主義が揺らいでいます。

歴史

1960年4月、マリはセネガルとともにマリ連邦としてフランスから独立しました。日本はこれを国家承認しましたが、同年8月にはセネガルが離脱し、連邦は事実上解消されました。マリは同年9月にマリ共和国として再出発し、日本は同年10月に改めてマリを国家承認しました。

長らく、在セネガル日本国大使館がマリを兼轄していましたが、2008年1月にバマコに在マリ日本国大使館が開設されました。一方、マリ側は1993年6月から在中国マリ大使館が日本を兼轄していましたが、2002年6月に東京に在日マリ大使館を開設しました。

2012年には、マリ北部で反政府勢力が「アザワド」の独立を宣言しましたが、日本政府は既存の国境尊重の原則に基づき、これを非難しました。

外交

二国間関係

地理的に遠く、文化的な接点も少ない両国ですが、日本はマリを含むサヘル地域の安定化を重視しており、積極的に支援を行っています。マリは、ブルキナファソ、チャド、モーリタニア、ニジェールとともに「G5サヘル」という枠組みを作り、地域の安定化に努めています。

日本要人のマリ訪問

2007年：西川公也衆議院議員が、アマドゥ・トゥマニ・トゥーレ大統領の就任式に総理特使として派遣されました。
2011年：菊田真紀子外務大臣政務官が、在マリ日本国大使館開設後初めてマリを訪問し、主要閣僚と会談しました。
2019年：佐藤正久外務副大臣が、モーリタニアと共にマリを訪問し、マリ首相や外相と会談しました。

マリ要人の訪日

2013年：ディオンクンダ・トラオレ暫定大統領が、アフリカ開発会議のため訪日し、安倍晋三首相と首脳会談を行いました。
2018年：カミッサ・カマラ外相が訪日し、河野太郎外務大臣と外相会談を行いました。
2019年：イブラヒム・ブバカール・ケイタ大統領が、アフリカ開発会議のため訪日し、安倍晋三首相と首脳会談を行いました。これは、マリの正規大統領として初の訪日となりました。

経済関係

2020年のマリの対日貿易は、対日輸出4.25億円、対日輸入19.08億円と、日本の黒字となっています。主要な輸出品はゴマやアルミニウム、輸入品はゴムタイヤや鉄鋼、自動車などです。

マリの主要援助国は、アメリカ、フランス、ドイツ、カナダ、オランダなどで、日本は上位には入っていません。しかし、日本は多額のODA（政府開発援助）を実施しており、以下のようなプロジェクトを支援しています。

バマコ都市圏デジタル地形図作成プロジェクト（2015年）： バマコ及び周辺地域のデジタル地形図などの整備と、地理空間情報整備に関する技術移転を支援。
バマコ中央魚市場建設計画（2010年、10.27億円）： 安全なタンパク質を安定的に供給するため、魚卸売市場の整備（荷捌場などの建設、製氷機、貯氷庫などの調達）を支援。

文化交流

国立民族学博物館は2014年にマリ文化省文化財保護局と学術協定を結び、文化財の保護・研究、教育・普及に関する協力関係を築きました。

また、カラ＝西アフリカ農村自立協力会の代表としてマリの発展に尽力した村上一枝氏の出身地である岩手県盛岡市が、2020年東京オリンピック・パラリンピックでマリ選手団のホストタウンとなり、文化交流が進められました。盛岡市からの寄付により、マリには識字教室が設置され、「MORIOKA」と書かれた看板が掲げられています。

外交使節

駐マリ日本大使
駐日マリ大使

駐日マリ共和国大使館

住所: 〒141-0021 東京都品川区上大崎3丁目12-9
アクセス: JR山手線/都営三田線/東急目黒線 目黒駅東急連絡改札口

脚注

外務省 マリ共和国（Republic of Mali）基礎データ

関連項目

日本の国際関係
マリの国際関係

外部リンク

在マリ日本国大使館、同(フランス語)
駐日マリ大使館(フランス語)、同（英語)

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