日本とリベリアの関係

日本とリベリアの関係

日本とリベリアの関係は、1961年の外交関係樹立に始まりました。その後、リベリア内戦による一時的な中断を挟みながらも、両国は友好関係を維持し、協力関係を深めています。

歴史

1961年9月、日本とリベリアは外交関係を樹立しました。1969年には、リベリアが東京に大使館を開設し、日本も1973年にモンロビアに大使館を開設しました。しかし、1986年以降のリベリア内戦の激化により、1990年に日本大使館は閉鎖され、2004年には正式に閉鎖されました。現在は、在ガーナ日本国大使館がリベリアにおける業務を兼轄しています。

2014年の西アフリカにおけるエボラ出血熱の流行時には、日本政府はリベリアを含む感染国に対して渡航延期勧告と退避検討勧告を出しました。その後、日本はエボラ終息に向けて積極的に支援を行い、自衛隊による防護服輸送も実施しました。リベリア政府は日本の医療チーム派遣を要請しましたが、日本は直接の人的支援は行わず、情報収集のために米アフリカ軍司令部へ自衛隊員を派遣するにとどめました。

外交関係

リベリア内戦終結後、初のアフリカ女性大統領となったエレン・ジョンソン・サーリーフ大統領は、日本との関係を重視し、2007年に初来日しました。その後も、アフリカ開発会議や国際会議への出席のため複数回来日し、日本の歴代総理大臣と会談を重ねています。これらの会談では、日本側がリベリアへの支援を約束し、リベリア側は日本の国連安保理改革を支持する姿勢を示しました。

2019年には、ジョージ・ウェア大統領が来日し、安倍晋三首相と会談しました。日本側はリベリアの民主的な発展を称賛し、両国は北朝鮮の核問題など国際的な安全保障問題についても意見交換を行い、協力関係のさらなる強化で合意しました。

日本からの要人往来としては、リベリア大統領の就任式に特派大使が派遣されたほか、2013年には日本・AU友好議員連盟のメンバーがリベリアを訪問し、関係強化を図っています。

経済交流

日本は円借款や無償資金協力など、2017年までに総額400億円以上の援助をリベリアに提供しています。リベリアにとって、日本はアメリカと並ぶ主要な援助国であり、日本との関係を重視する大きな理由となっています。日本からの支援は、漁業や水産分野に加えて、エボラ出血熱の流行以降は医療・衛生分野にも重点が置かれています。

貿易関係では、2019年においてリベリアの対日輸出は148億円であるのに対し、対日輸入は2209億円と大きな貿易赤字となっています。これは、リベリアが漁業国として日本から船舶を輸入していることが主な理由です。また、一般機械やゴム製品も日本からの輸入品として挙げられます。

リベリアは便宜置籍船の登録数も世界有数であり、日本で就航している船にもリベリア船籍の船が多く見られます。近年、リベリア船籍の登録数は、他の主要なオープンフラッグ国を凌ぐ勢いで増加しています。

外交使節

駐リベリア日本大使
駐日リベリア大使
ローランド・H・クーパー（1969年～）
ジョン・D・コックス（1972年～、信任状捧呈は5月4日）
アーネスト・イーストマン（1974年～、信任状捧呈は6月7日）
スティーブン・J・コーファ（1989年以前～）
（臨時代理大使）ベン・シェトゥエ・コーリンズ（～2002年）
空席（2002～2007年）
（臨時代理大使）アダムス・S・ビリティー（2007～2009年）
空席（2009～2010年）
（臨時代理大使）デービット・ジェイ・サリエ（2010～2011年）
ヤンゴー・セベリー・テレウォダ（2011～2018年、信任状捧呈は4月7日）
（臨時代理大使）ジェイ・リバ・ディマ（ディマ・ジェイ・リバ、2018年）
（臨時代理大使）ズコリレイ・ジ・コンゴ（2018～2019年）
ブラモー・ネルソン（2019年～、信任状捧呈は9月19日）

まとめ

日本とリベリアは、長年にわたり良好な関係を築いてきました。経済協力や医療支援など、多岐にわたる分野での協力関係は今後も継続すると見込まれます。

参考文献

外務省: リベリア共和国（Republic of Liberia）基礎データ

関連項目

日本の国際関係
リベリア

外部リンク

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