日本福音ルーテル教会

日本福音ルーテル教会

日本福音ルーテル教会（Japan Evangelical Lutheran Church、JELC）は、文部科学省所轄の包括宗教法人であり、日本に複数存在するキリスト教（ルター派）教派の一つです。

沿革

1888年、アメリカ南部一致ルーテル教会が日本伝道を開始。1892年、ジェームス・シェーラー宣教師を日本へ派遣し、山内量平から日本語を学びました。同年にはラファス・ピーリーも宣教師として来日し、共に日本語を習得しました。

シェーラーは九州地方での伝道のため、佐賀中学校の英語教師として赴任。松原町に仮会堂を設け、「佐賀十字教会」と名付けました。1893年4月2日、ピーリー、シェーラー、山内量平の3名により最初の礼拝が行われ、この日が日本福音ルーテル教会の宣教開始とされています。1909年には熊本に神学校「熊本路帖神学校」を開設。その後、九州学院神学部を経て、1921年に東京へ移転し「日本ルーテル神学専門学校」となりました。

1940年に「福音ルーテル教会」と合同しましたが、戦時体制下の1941年には日本基督教団第五部に編入。終戦後の1947年に旧「日本福音ルーテル教会」が離脱し、1953年に「福音ルーテル教会」と再合同して宗教法人格を取得しました。1963年には旧来の日本福音ルーテル教会と東海福音ルーテル教会が合同し、現在の日本福音ルーテル教会が組織されました。1970年には初の女性教職者の按手礼が行われ、各地の教会へ派遣されています。1993年には宣教百年記念大会が熊本で開催されました。

エキュメニズム（教会一致運動）にも積極的に取り組み、1964年の第二バチカン公会議で採択された「エキュメニズムに関する教令」50周年を記念し、2014年にはカトリック、聖公会と共に合同礼拝を実施。2017年には宗教改革500年を記念し、カトリックとの合同礼拝を長崎市の浦上天主堂で行いました。

信条

日本福音ルーテル教会は、以下の信条を聖書の教理に一致するものとして定めています。

使徒信条
ニカイア・コンスタンティノポリス信条
アタナシウス信条
アウクスブルク信仰告白及びその弁証論
シュマルカルド信条及び和協信条
ルター『小教理問答書』及び『大教理問答書』

教区と教会

4つの教区と1つの特別教区が置かれ、それぞれの教区事務局を教会が担っています。

主な教会堂

国の登録有形文化財に登録されている教会堂を紹介します。

久留米教会 礼拝堂及び煉瓦塀（久留米市） - ヴォーリズ設計
熊本教会礼拝堂（熊本市） - ヴォーリズ設計
市川教会礼拝堂（市川市） - ヴォーリズ設計
小城教会礼拝堂（小城市） - ヴォーリズ建築事務所設計
復活教会礼拝堂（名古屋市） - ヴォーリズ建築事務所設計
岡崎教会礼拝堂（岡崎市） - ヴォーリズ建築事務所設計

関連事業

学校

ルーテル学院大学（三鷹市） - 日本ルーテル教団と共同運営
日本ルーテル神学校（三鷹市） - 日本ルーテル教団と共同運営
九州ルーテル学院大学（熊本市）
ルーテル学院中学校・高等学校（熊本市）
九州学院中学校・高等学校（熊本市）

幼稚園・保育園

全国に幼稚園27ヶ所、保育園20ヶ所を展開しています。

社会福祉事業

「デンマーク牧場福祉会」（静岡県袋井市）、「釜ヶ崎ディアコニア喜望の家」（大阪市西成区）、「慈愛園」（熊本市）など、全国に12の社会福祉法人があります。

収益事業

ルーテル市ヶ谷センター（新宿区）：宿泊施設、貸会議室、貸ホール
ホテル・ザ・ルーテル（大阪市）：宿泊施設
女子学生会館文京カテリーナ（文京区）：女子学生寮
ルーテル平和大通りビル（広島市）：賃貸オフィス

公益事業

関連団体の一般財団法人JELA（旧「日本福音ルーテル社団」）が難民支援や奉仕者育成などの事業を行っています。

著名な牧師・宣教師

ジェームス・シェーラー
ラファス・ピーリー
山内量平
山内直丸
川瀬徳太郎
石松量蔵
徳善義和
乾一郎
青山四郎

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