日本モーターボート選手会常設訓練所

日本モーターボート選手会常設訓練所

愛知県碧南市に位置する「日本モーターボート選手会常設訓練所」、通称「碧南訓練所」は、ボートレーサーの技術向上を目的とした専門的な訓練施設です。この施設は愛知県唯一の天然湖沼である油ヶ淵の湖岸に建設されており、競争水面、訓練生宿舎、プールなど多彩な設備が整っています。

施設の概要と管理

訓練所の所長は、日本モーターボート選手会に所属する現役選手が公務として担当しています。2024年1月時点では、矢橋成介選手（登録3644・三重支部）がその役職を務めています。訓練所で使用するボートやモーターは、各地の競艇場から良好な状態の中古品を受け入れていますが、整備は行われず、使用状態が悪化すると廃棄される仕組みです。

スタート事故に関する研修

ボートレースにおけるスタート事故やフライングのルールに厳しく対応しており、特定の条件を満たす選手は、指定された2泊3日の研修に参加することが求められています。研修では主にスタート訓練が中心となり、最終日に5本連続で正常なスタートを成功させることで合格となります。参加者は自己負担で交通費や研修参加費を支払い、施設内では通信機器の持ち込みや外出が禁止されています。

その他の訓練プログラム

さらに、訓練所ではボートレーサー養成所の訓練生を対象とした試験や、新人選手への特訓、デビュー3年未満の選手向けの技能特別訓練、そして社会研修が行われるなど、多角的なスキル習得が可能です。特に社会研修では、デビュー10年未満のA1選手に対して、マナーや社会道徳を指導しています。これらの研修は月に数回実施され、現役選手に求められる定期訓練は別の施設で行われます。

一般開放と利用制限

「碧南訓練所」は「勤労青少年 水上スポーツセンター」として一般にも開放されており、各種水上スポーツの普及活動や宿泊研修の場として利用されています。ただし、一般個人の利用は認められていないため、団体での利用に限られています。

施設構成の詳細

この訓練所は、地上3階建ての研修施設を持ち、延べ床面積は1483.27平方メートルです。施設内にはボートの艇庫や整備ルームが完備されています。新館には会議室、客室、宴会場があり、主にボートレーサーが使用するため、一般には開放されていません。一方、本館には宿泊施設や食堂、レストラン、宴会場が整備されており、こちらは一般利用が可能です。さらに、定員100名のホールと25mの温水プールを有し、多目的に活用されています。

アクセス

アクセスは非常に便利で、東海道新幹線やJR東海道本線の三河安城駅からタクシーで約15分、安城駅からは約20分、名鉄三河線の北新川駅からは約5分です。また、碧南中央駅や新川町駅からは、専用バスの利用も可能で、「油ヶ淵遊園地」停留所から徒歩ですぐの位置にあります。

この施設は、ボートレーサーの技術向上を確実にサポートし、多様な研修プログラムを提供する重要な役割を果たしています。

もう一度検索