日本同盟基督教団

日本同盟基督教団（にほんどうめいきりすときょうだん）

日本同盟基督教団は、日本の主要なプロテテスタント系キリスト教団の一つです。その起源は19世紀末に遡り、聖書信仰を重んじ、国内外での宣教活動に力を入れています。

沿革

初期宣教時代（1891年～1903年頃）

日本同盟基督教団の歩みは、1891年11月、北米スカンヂナビアン・アライアンス・ミッション（現在のTEAM：The Evangelical Alliance Mission）から派遣された15名の宣教師たちが横浜に上陸したことから始まりました。彼らは東京、千葉、岐阜、神戸など各地に赴き、福音伝道を展開しました。初期には悲劇もあり、来日間もないメリー・エングストロム宣教師が病で世を去りましたが、他の宣教師たちはその悲しみを乗り越え、宣教活動を継続しました。1894年にはミッションの創立者であるイー・エフ・フランソンが初めて来日し、伝道は飛騨や伊豆諸島にも広がりました。1896年には、最初の教会堂が小梅町（東京）に建てられ、同盟基督協会として献堂されました。

日端同盟基督協会時代（1904年～1921年頃）

1904年、スカンジナビア・アライアンス・ミッションは日本政府より「日端同盟基督協会宣教師社団法人」として正式に認可を得ました。この頃、千葉や中野、深川などでも伝道が進められましたが、1905年の日比谷騒擾事件では教会が焼失する被害も受けました。しかし、こうした困難の中でも宣教は続けられ、日本人教職者も活動に加わるようになりました。1909年には宣教団の本部が中野に移転し、組織の基盤が整備されていきました。この時代は宣教活動が拡大する一方で、宣教資金の問題などもあり、宣教団主導の年会は1921年をもって終了を迎えます。

日本同盟基督協会時代（1922年～1940年頃）

1922年からは、日本人教職者と信徒によって主体的に教会運営が行われるようになり、第一回年会が開催されました。この年会を機に、宣教団をも含む包括的な組織として「日本同盟基督協会」が設立されました。関東大震災による被害からの復興や、日本基督教連盟への加入など、組織としての対外的な連携も図られました。各地で活発な伝道集会が開かれ、教会堂の献堂や改築も進みました。1936年にはリーベンゼラ・ミッションとの合同も実現するなど、教勢は拡大していきました。しかし、太平洋戦争が近づくにつれて社会情勢は厳しさを増し、1940年の年会において、将来的な伝道拡大を目指し、一時的に解散することが宣言され、多くの宣教師が日本を離れました。

日本基督教団時代（1941年～1947年頃）

1941年、当時の宗教政策により、日本同盟基督協会は日本聖化基督教団を経て、日本基督教団の内部組織の一部となりました。戦時下では教会活動は大きな制約を受け、1945年には空襲により東京の教会が壊滅的な被害を被りました。終戦後、混乱の中から徐々に教会活動が再開されました。

日本基督教団離脱・日本同盟基督教団再建（1948年～）

1948年、戦後多くの宣教師が再来日する中で、日本同盟基督協会に連なる教会の多くは日本基督教団を離脱し、「日本同盟基督教団」として新たに歩み始めることを決めました。第一回教団総会が開催され、指導者が選出されました。この再建期には、野畑新兵衛、安藤仲市、木下弘人といった日本人指導者たちが教団の発展を牽引しました。1950年には、現在の東京基督教大学の前身である同盟聖書学院が開校し、人材育成の拠点となりました。また、いのちのことば社の設立や、松原湖・浜名湖でのバイブルキャンプ開始など、様々な伝道・教育事業が展開されました。1952年には宗教法人として正式に認可され、組織体制が確立されました。その後も国内外への宣教師派遣や伝道計画の実施、教団ブロック制の導入などを通して、宣教活動を積極的に推進しています。

特色

日本同盟基督教団は、聖書を誤りのない神のことばとして信じる「聖書信仰」をその根幹に置いています。宣教の原動力は、みことばへの従順と聖霊への信頼にあると信じ、各個教会が主体となりつつも互いに協力し合う「宣教協力」の体制をとっています。教団の運営においては、各教会が対等な立場で話し合う「合議制」を原則としています。また、「教会と国家」の問題にも関心を寄せ、靖国神社への反対を表明するなど、社会的な発言も行っています。歴史的に見ても、当初から宣教、福祉、教育の三つの働きをバランス良く重視してきたことが資料からも読み取れます。

主な人物

教団の歴史には多くの献身的な人々が関わってきました。初期の日本人教職者として、伊豆大島や熱海で奉仕した土肥貞次、千葉教会で長く牧会した杉本光平、中野教会などで活躍した眞嶋慶三郎などがいます。戦後の再建期や発展期には、松田政一、野畑新兵衛、鋤柄熊太郎、安藤仲市、木下弘人といった指導者たちが重要な役割を果たしました。他にも、東京基督教大学の学長を務めた倉沢正則氏や山口陽一氏など、現代に至るまで多くの牧師や伝道者、教育者が教団を支えています。

所有施設

主要な施設として、教団の事務機能を担う教団事務所（東京都渋谷区）があります。また、聖書教育や研修のための施設として、松原湖バイブルキャンプ場と浜名湖バイブルキャンプ場を所有・運営しています。

組織構成

教団は、理事会を中心とし、総務局、伝道局、教育局、国外宣教委員会、社会局といった部門が、それぞれの役割を担いながら活動しています。

関連事項

日本同盟基督教団は、日本の福音派の中心的な働きを担う日本福音同盟に加盟しています。また、宣教団の源流であるTEAMや、設立に深く関わった東京基督教大学、いのちのことば社、太平洋放送協会など、様々な関連団体と共に福音宣教を進めています。著名な関係者として、横田早紀江氏（五十嵐キリスト教会）や熊代昭彦氏（西大寺キリスト教会）がいます。西大寺キリスト教会が提供するラジオ番組「希望のこえ」も、教団の関連活動の一つです。

これらの活動を通して、日本同盟基督教団はキリストの福音を伝え、地域社会に仕える働きを続けています。

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